コラムCOLUMN
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BGMでの快適なオフィス環境作り
「健康経営」への関心が社会的に高まる中、多くの企業が従業員の心身の健康を支え、働きがいを高めるための取り組みを進めています。
その中心的な役割を担うのが「福利厚生」ですが、「制度を導入しても一部の従業員しか利用しない」「コストがかかる割に効果が見えにくい」といった課題も少なくありません。
こうした中で注目されているのが、オフィスで働くすべての人が平等に恩恵を受けられる「オフィスBGM」の導入です。
BGMによる音環境の整備は全従業員にとっての“公平性の高い福利厚生”であり、エンゲージメント向上や企業価値の向上にもつながると考えられています
本記事では、福利厚生の新たな形として注目されるオフィスBGMの意義、導入のメリット、期待できる効果について解説します。
近年、企業の持続的成長の鍵として「人的資本経営」が注目されています。
従業員を単なる「コスト」ではなく、価値創造の源泉である「資本」と捉え、その能力を最大限に引き出すための投資を重視する考え方です。
この文脈において、福利厚生のあり方も大きく見直されています。
従業員の満足度や意欲を高めるのは、給与などの「金銭的報酬」だけではありません。
「働きがい」や「快適な職場環境」といった非金銭的報酬が、定着率や生産性向上に大きく影響します。
福利厚生はその代表的な施策であり、心身の健康を支えながら、企業への信頼と貢献意欲を育む重要な役割を担っています。
一方で、従来の福利厚生制度には構造的な課題も存在します。例えば、以下のようなケースに心当たりはないでしょうか。
こうした状況は、従業員間に「自分は福利厚生の恩恵を受けられていない」という不公平感を生む原因となり得ます。
全従業員のための投資であるはずの福利厚生が、かえって一部の不満に繋がるのは避けたいところです。
そこで新たな選択肢として注目されているのが、特定の個人ではなくオフィスという「場」そのものに投資するという考え方です。質の高いオフィスチェアの導入や、リフレッシュスペースの充実はその一例でしょう。
そして「音環境」の整備、すなわちオフィスBGMの導入もまた、この“環境投資型の福利厚生”の有力な選択肢です。オフィスで働く全員が意識せずとも恩恵を受けられる──これこそが、これからの福利厚生に求められる「公平性」と「包括性」を高いレベルで満たす施策なのです。
最大の理由は、その普遍性にあります。オフィスに出社して業務を行う従業員であれば、誰もが勤務時間中、BGMが流れる空間で過ごすことになります。特別な手続きもなく、気づかないうちに心地よい音が働く環境を支えてくれるのです。
これは、利用の意思や個人の嗜好によって利用率が左右される他の福利厚生制度とは決定的に異なります。
適切なオフィスBGMは、マスキング効果によって周囲の雑音(キーボードの打鍵音や会話の声など)を和らげ、会話のプライバシーも守る効果が期待できます。
これにより、「他人の会話が気になって集中できない」「自分の声が周囲に漏れていないか不安」といったストレスから従業員を解放します。
このような音環境は、年齢・性別・役職に関わらずすべての従業員の心理的安全性を高めます。
安心して業務に集中できる環境は、組織全体のパフォーマンス向上に直結します。
運用負荷の低さも、人事・総務担当者にとって大きな魅力です。一度導入すれば、専門のサービスに運用を任せることができ、従業員からの利用申請や実績管理といった煩雑な事務作業は不要です。
「福利厚生を充実させたいが、これ以上管理コストは増やせない」という企業にとって、オフィスBGMは非常に導入しやすく、継続しやすい施策といえます。
これまでのオフィスづくりでは、照明や家具、空調など「視覚的・物理的な快適さ」が重視されてきました。
しかし近年、「音」も空間体験を左右する重要なデザイン要素として注目されています。
音環境を意識的に整えることは、単なるBGMの選曲にとどまらず、働く人の集中・リズム・心理状態をマネジメントする取り組みへと発展しつつあります。
オフィスで流れる音は、無意識のうちに人の感情や行動に影響を与えています。
静かすぎる空間では少しの会話も目立ってしまい、話しかけづらい雰囲気を生み出す一方、適度に音がある環境では、自然とコミュニケーションが生まれやすくなります。
また、音はブランド体験にも関わる要素です。
来訪者がエントランスで最初に感じる音、昼休みに流れるリラックスBGM、終業前の落ち着いたメロディ。
これらの「音の演出」が、企業の文化や価値観を無意識に伝えるメッセージになります。
つまり、オフィスの音は見えないながらも、空間の印象・心理的安全性・チームの空気感を左右する資源なのです。
オフィスに流れる音は「装飾」ではなく、働き方に合わせて整えるべき環境要素です。
集中が求められる時間帯には静かなインストゥルメンタルを、コミュニケーションが活発になる昼休みや終業前には明るいテンポの音を選ぶなど、時間や目的に応じて“最適な音”をデザインすることで、従業員のパフォーマンスを支えることができます。
また、オフィスの音環境を整えることは、働く人のリズムや気分を整え、組織全体の一体感を生み出す要素にもなります。
ただ音を流すだけでなく、働きやすさを支える音環境へ。
これからのオフィスには、音を意識的に整える発想が求められています。
オフィスBGMを福利厚生として戦略的に導入することは、企業と従業員の双方に多くのメリットをもたらします。
快適な音環境は従業員の満足度を高め、「従業員の働きやすさを大切にしている」という企業姿勢を明確に伝えるきっかけになります。
その結果、エンゲージメントやロイヤリティの醸成につながり、組織の一体感を強める効果も期待できます。
また採用活動の面でも、「音環境にまで配慮している企業」として好印象を与え、先進的で魅力的なブランドイメージを築く一助となります。
経済産業省が推進する「健康経営優良法人認定制度」では、従業員の健康保持・増進に繋がる制度・施策の導入やその効果検証が評価対象になります。
オフィスBGMの導入は、働きやすい環境づくりやストレス軽減に向けた取り組みとして位置づけやすく、健康経営の実践事例としてアピールしやすい施策の一つです。
心地よいBGMは緊張を和らげ、リラックス効果をもたらします。また、周囲の雑音を適度にマスキングすることで、集中しやすい環境を整えます。
こうした音環境の改善が、従業員一人ひとりのパフォーマンス向上に寄与し、結果として組織全体の生産性アップにもつながります。
完全に無音のオフィスでは、会話が目立ってしまい、気軽なコミュニケーションが生まれにくくなります。
適度なBGMが流れていることにより心理的ハードルが下がり、自然な雑談や相談が生まれやすくなります。
こうした偶発的なやり取りが、チームの連携を深め、風通しの良い職場づくりを後押しします。
USENでは、オフィス空間における音の重要性に着目し、研究機関との共同研究を通じて、快適なBGMが従業員の心理状態にポジティブな影響を与えることを明らかにしています。
快適な音環境はストレスの軽減や活力向上に寄与するため、健康経営において科学的にも合理的な施策といえるでしょう。
「Sound Design for OFFICE」は、BGMの提供に留まらず、企業の「健康経営」「福利厚生」への取り組みを音の側面から支援するサービスです。
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