コラムCOLUMN
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BGMでの快適なオフィス環境作り
職場の雰囲気を改善するためには、マスキング効果をもたらす対策が欠かせません。ワーキングスペースはもちろん、会議室ですら会話漏れが気になって集中できないという人が増えているのです。会話だけでなく、人の動作音がストレスになったり、逆に動作音を出す人が非難されたりしてストレスを抱える問題も生じています。職場環境を改善するためのマスキング効果について見ていきましょう。
ある文具メーカーの調査によると、会議室での会話漏れが気になって会議に集中できない人が6割もいることが明らかになりました。特に、機密事項や個人情報について話しているときには、会話漏れしていないかという緊張感がひと際高まることもわかりました。役職が高まるほどに会話漏れが気になるといいますから、オフィス全体の問題といえるでしょう。しかし、会話漏れがストレスになっている自覚がありながら、マスキング対策をしているオフィスは1割にも満たないことも判明しました。
会議や商談を完全な個室で行えば、会話漏れの心配はないのではないかと思われるでしょう。しかし、調査結果は7割が個室で行われた会議や商談に対して出た回答です。つまり、多くの人が、個室で会議や商談をしても会話漏れが気になって集中できないと感じているのです。当然のことながら、パーティションやオフィス家具などで仕切られたスペースで会議や商談をしている場合は、さらなるストレスを抱えていることでしょう。
会話漏れの問題は、会議や商談に入っている人にのみ起こっているわけではありません。ワーキングスペースでも、周囲の雑音に悩まされている人は少なくないのです。特にストレスとなりやすいのが、プライバシーが欠如した環境です。パーティションのないオープンなオフィスはもちろんのこと、低いパーティションや高いパーティションで区切られていても、周囲の雑音にストレスを感じる人が増えています。
人の会話や動作音を意識しないようにしても、耳に入ってきた音に反応してしまうのは人としてごく自然なことです。その反応が集中力を削いだり、仕事へのモチベーションを低下させたりすることになれば、オフィスの生産性に問題が生じることになるでしょう。
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ある音が、別の音によってかき消されるような現象のことをマスキング現象といいます。例えば、エアコンをつけた瞬間は動作音が気になっても、次第に耳が慣れてきてエアコンを切ったときにその静けさに驚く、といったことがあります。このようなマスキング現象は、周波数などが聴覚神経を伝達するスピードや処理する過程に差があるために起こるといわれています。また、高い周波数のほうが低い周波数の音をマスキングしやすいそうです。
日頃から、私たちはさまざまな雑音に接しながら生活しています。雑音の多さに耐えきれず、静かな地域に住むことでストレスが軽減したという人もいますが、完全に無音の状態は反対にストレスの原因となります。特別な無響室の空間では、人は外部の音から一切遮断されます。内部の音も吸音板によって瞬時に吸い取られてしまうため、自分が言動した音も消し去られてしまいます。このような無音状態では、人は一層ストレスを感じやすくなります。これは、人は日頃から音によって状況判断をしたり、危険を察知したりしているためです。それができなくなるため、ストレスを感じてしまい、人によってはパニックに陥ってしまうのです。
そのため、音を完全にシャットアウトするのでなく、音のマスキング効果を狙った対策のほうが職場環境の改善につながると言われています。
オフィス内での会話漏れ対策に、BGMを流すという方法があります。作業効率アップなどのメリットが期待でき、注目されている対策法です。問題は、音楽の種類によって従業員への影響も違ってくるということ。バッハやモーツァルトが集中力やリラックスをもたらしてくれても、音楽の好みは人によって異なります。そこで検討してみたいのが、BGMとは異なる音を出すサウンドマスキング効果です。
サウンドマスキング効果をもたらすシステムには、空調音などに似た背景音があります。これにより、隠したい音をマスキングすることで職場の雰囲気を改善しようとするシステムです。使用するものはオフィスにBGMを流す機器と同程度ですから、オフィスのデザインを損ねる心配はありません。音楽のジャンルによって、集中力を欠くようなこともないでしょう。
サウンドマスキングシステムを導入すると、間仕切りをした空間にいるときに隣接したスペースの雑音はほとんど聞こえなくなります。オープンオフィス内で会話するときには、スペースを選ぶことで会話漏れの心配がなくなります。会話漏れの心配だけでなく、他の人の作業を邪魔する心配もなくなってくるわけです。
サウンドマスキングシステムは、BGMをプラスすることでさらに職場の雰囲気の改善や、仕事効率を上げることもできます。BGMを厳選する必要がありますが、音楽は人をリラックスさせたり癒しをもたらしたりしてくれます。医療現場でも、音楽の心理的効果を活用して音楽療法が用いられています。音楽を聴いたり歌ったり演奏したりすることで、リラックス効果を得て痛みを緩和させようというものです。不安やうつ状態を軽減させれば、精神的な回復がもたらされます。音楽療法は広く医療現場で用いられるようになり、音楽療法士という資格も登場しているほどです。
サウンドマスキング効果を活かせる職場も、幅広い分野で考えられます。一般的なオフィスはもちろんのこと、弁護士事務所のように込み入った話をすることが多い職場にも役立つでしょう。弁護士事務所には、防音システムが備わった個室が完備されたところもありますが、執務室と応接室がパーティションで区切られただけという事務所もあります。応接室を訪問した依頼主が、執務室で交わされている会話内容を耳にしてストレスを抱えたり、依頼をキャンセルしたりしてしまうケースもあるでしょう。デリケートな話をすることが多い業種ですから、サウンドマスキング対策を行うことによるメリットは大きいといえるでしょう。
金融業も接客ブースが隣り合っていることが多く、なかには顧客から執務スペースが丸見えになっているところもあります。視覚的な面でも気遣いも必要ですが、仕事をしている以上は会話漏れしてしまうこともあるでしょう。サウンドマスキング対策をしておけば、電話の内容などが接客スペースまで届くことが防ぐことが可能です。
ホテルなどの宿泊施設では、隣り合った客室同士の雑音やエレベーターホールからの雑音などが問題になりがちです。従業員がいくら気を付けても、お客様同士はくつろぎに来ているわけですから、雑音によってストレスがかかればホテルへの印象が悪くなってしまいます。サウンドマスキング対策をすることによって、よりくつろいで宿泊してもらえる効果を得られるはずです。
医療機関では、医師の診療内容が待合室まで聞こえたり、待合室にいる人の会話内容が診療室に届いたりすることもあります。患者同士のプライバシーや心理的ストレスにつながりかねないだけでなく、医師や看護師の集中力の低下にもつながる可能性が出てきます。これを防ぐためにも、サウンドマスキング対策が効果的です。
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