コラムCOLUMN
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BGMでの快適なオフィス環境作り
現代社会において、生産性向上は多くの企業や個人にとって重要な課題となっています。その一方で、生産性向上においてなにから着手すべきなのか、どんな成果が期待できるかを正しく理解できている人はまだ少ないのが現実です。この記事では、生産性向上の意味を正しく捉え、具体的に企業がおこなうことができる取り組みから実際の事例まで紹介していきます。
生産性向上というワードはよく使用されますが業務効率化と混同され、ただのコスト削減と捉えられているなど正しく言葉の意味が理解されていない場合も多くあります。
もちろんどちらも大事な要素ですが2つの言葉の違いを理解することで、企業にとって本当に必要な対策を見つけることができます。まずは、生産性向上の正しい言葉の意味と目的を理解しましょう。
生産性向上とは、「より少ない投入資源で最大の成果を生み出すこと」です。 投入資源とは、人や物、資本などを指します。成果とは生み出された商品やサービスのことを意味し、生産額や付加価値額でも表せます。つまり、最小限のインプット(投入資源)に対し、どれだけのアウトプット(生産額や付加価値額)が生み出せたかが、生産性の向上には重要になってくるというわけです。
生産性向上がなぜ企業にとって必要不可欠といわれているのか、その背景には市場のグローバル化や労働人口減少の問題があります。 少子高齢化により日本の労働人口は年々減っています。約40年後には労働人口が約4割も減少してしまうといわれており、人手不足が予想されるなかにあって生産性を向上させることは喫緊の課題です。
前述のとおり、生産性向上と混同されやすいワードに「業務効率化」があります。業務効率化とは、業務のプロセスの中から無駄を削減することによって、投入資源を削減していくことです。具体的には「長時間の会議を廃止する」「業務をマニュアル化して無駄な作業を減らす」などの方法がとられます。
業務効率化を行うことで人件費や労働時間などのインプット量が減っていくため、アウトプット量が増え、結果的に生産性の向上に繋がると考えられています。業務効率化は、生産性向上を行うための1つの方法として捉えた方が良さそうです。
投入した資源に対してどれだけの成果や付加価値を生み出したか知るためにも、生産性の分析は欠かせない財務分析のひとつです。まずは、生産性を正しく測定するために最低限知っておきたい用語や計算方法を紹介していきます。
生産性を測る基準はいくつかありますが、代表的なものとして労働生産性が挙げられます。 労働生産性とは従業員1人あたりの成果、あるいは従業員が1時間で生み出すことができる成果を表します。計算式は以下のようになります。
アウトプット(産出量)÷インプット(従業員数または時間あたりの労働量)
従業員のスキルアップや業務の効率化が実現できれば、おのずとインプット量は削減でき、生産性向上に繋がるということです。
そのほかにも、労働生産性にはアウトプットを売上金額や生産量に置き換える「物的労働生産性」と、アウトプットを付加価値額で計算する「付加価値労働生産性」の2種類があります。自社の状況や目的に合わせて、必要な数値を割り出してみましょう。
労働分配率とは、付加価値のうち何%が人件費としてかかったかを知るための指標です。人件費とは給料だけでなく、福利厚生費や退職金なども含まれます。以下の計算式で求めることができます。
人件費÷付加価値×100br
労働生産性と違い、労働分配率は高ければいいというわけではありません。人件費を削減していくことで、従業員のモチベーションの低下などを招く可能性もあります。 その結果、生産性を下げてしまう事態になりえます。
生産性向上の意味や指標の考え方が理解できたところで、実際の取り組み前の下準備を紹介していきます。生産性向上は、ただやみくもに取り組むのではなく、企業の課題や目標を明確にすることが重要です。ポイントをしっかりおさえることで、効率よく生産性向上を目指すことができます。
はじめに必要となってくるのが自社の現状把握です。どれだけのインプットが行われているのか、人件費や材料費などのコストを割り出し可視化していきます。現状の把握をしっかり行い、何が生産性を下げる要因となっているのかを正しく理解することで的確な対策を練ることができます。
実際に先ほどの計算式を用いて指標を明らかにすることで改善策によってどれだけ生産性の向上が見込めるか目標を設定することもできます。
先ほど労働生産性の説明でも触れましたが、生産性を上げるには従業員が限られた時間でどれだけの成果をあげることができるかが非常に重要になってきます。 実際に労働に費やされている時間がどんな業務に使われているのか、を見える化する作業が必要です。
営業職を例に考えると、訪問や提案にどれだけの時間を要したのか、資料などの準備時間やそれ以外の作業時間はどの程度かかったのかを細かく割り出していきます。その中で実際に付加価値を生み出しているのは、訪問や提案の時間です。準備やメール対応などの作業時間をなるべく圧縮していくことで、付加価値を生み出すための時間を増やしていくことができ、生産性向上の一歩となっていきます。
このように業務は大きく「コア業務」と「ノンコア業務」に分けることができます。先ほどの例でいくと、訪問や提案業務が「コア業務」、資料の準備作業やメール作成などで直接的に成果を生み出さない業務が「ノンコア業務」となります。
生産性向上にはインプットの量を減らしていくことが重要です。ノンコア業務の作業効率アップや負担軽減により、コア業務に集中することができるのです。 例えば、メールや資料のテンプレート化や、資料に使うデータ抽出の自動化を行うことで、コア業務に充てる時間を十分に確保することができます。
ポイントをしっかりおさえることができたら、自社に合った取り組みを実行していきましょう。労働生産性を向上させる方法はいくつかありますが、内容や性質によって期待できるメリットはさまざまです。ここでは代表的な取り組みを3つ紹介していきます。
ITツールを導入・活用することで人の手で行われていた業務を自動化することができます。特にノンコア業務については自動化を行うことでコア業務の時間の充実が図れるでしょう。
またコミュニケーションの円滑化も期待でき、情報伝達の効率化が見込めます。
業務の手順をマニュアル化し、ルールをしっかり定めることで、どの従業員が作業を行っても平均的な成果を出すことができるようになります。
複数の従業員が同じ業務を行う場合、それぞれ独自の方法で作業を行っていると無駄な作業の発生や品質の差が生じる可能性があります。そのままにしていると深刻なミスに繋がってしまうこともあるでしょう。特定の従業員が行う作業に関しても、ルールが定まっていないと引き継ぎが困難になります。
このような問題は時間ロスを招く原因となり生産性の低下につながる恐れがあります。
従業員のワークスタイルを充実させることで生産性向上に繋げる、という取り組みがあります。長時間労働など従業員に負担のある労働環境ではやりがいを感じられずに仕事のパフォーマンスが低下してしまう原因になるからです。
従業員が働きやすい環境づくりとして、1日の始業時間と就業時間を社員の裁量で決めることができるフレックスタイム制の導入なども検討してみるといいでしょう。就業時間を自ら定めることで、無駄な残業時間の削減なども期待できます。 また、社内にリラックスできるカフェスペースの設置やオフィスBGMによるストレスの緩和などオフィス環境の改善にも目を向けてみるとよいでしょう。
現在は、生産性向上に役立つツールが数多く生み出されています。目的も多種多様なので、自社の改善したい業務に合わせて選定すると良いでしょう。ここでは、「時間管理から業務時間短縮を図れるツール」「労働環境の改善に役立つツール」「コミュニケーションアップツール」の3パターンを紹介します。
まず注目したいのが時間管理ツールです。「タイムトラッキングツール」などとも呼ばれます。時間管理ツールとは各タスクにかかる時間を計測し、グラフなどで可視化していくITツールです。タイムマネジメントの意識を高め、働き方の見直しを図る指標として活用できます。
作業ごとに時間を計測することで集中力も高まり、ほかのタスクに気をとられないというメリットもあります。マルチタスクは一見効率が良いようにも見えますが、同時並行で作業を進めることで効率が下がってしまうともいわれています。時間管理ツールを使うことで、マルチタスクを防ぐことができるのです。
さらに作業時間を記録として残せるので無駄な作業がないかを客観的に見直すことが可能です。前回と比べて作業効率が上がっていれば、自身のモチベーションアップにも繋がるでしょう。複数人で使うことができる時間管理ツールもありますので、チームやプロジェクトでの時間計測にも活用できます。
仕事中に音楽を流すことでオフィスの騒音を程よくかき消してくれるため、より作業に集中しやすいというメリットがあります。ヒーリング効果のある音楽を使用すれば、リフレッシュ効果にもなるでしょう。
別の視点からでは、音楽で時間の区切りをつけるという方法もあります。例えば、残業軽減を目指すため、定時になったら毎回同じ音楽を流すことで、従業員への意識付けを促すことができます。
迅速な報告、連絡、相談を可能にするビジネスチャットツールも検討したいところです。スマートフォンなどでも使用することができるので、オフィスにいなくても円滑にコミュニケーションを取ることができます。メールとは違い、気軽なコミュニケーションを可能にするので、チームワークの向上にも役立つでしょう。
主な機能はテキストでやり取りするチャットツールになりますが、ほかにもタスク管理やビデオチャット機能によるWeb会議も可能です。ビジネスチャットツールを1つ入れるだけで、幅広く活用することができるのがメリットです。
なによりもビジネス現場での使用を想定した高いセキュリティ機能を保有しているので、顧客情報などのやり取りも安全におこなうことができます。
生産性向上を実現させるための取り組みは多岐にわたることがわかっていただけたかと思います。しかし、大事なのは生産性向上の意義や目的を企業全体に浸透させ、従業員にも理解してもらうことです。
生産性向上は、取り組みを実施したからといってすぐに効果が見込めるものでもありません。忍耐力や時間、労力が必要になるため、長期的な目標設定だけでなく従業員の理解は欠かせないでしょう。さらに、最終的な目標を従業員が理解しないまま取り組んでいると効果に繋がりにくく、真の生産性向上とはいえません。施策が失敗に終わってしまうケースもあります。
これらのポイントを踏まえながら、企業の社風や解決策に合う方法やツールを模索していくことが成功への近道といえるでしょう。
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