コラムCOLUMN
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BGMでの快適なオフィス環境作り
平成27年12月11日より、労働安全衛生法によって「ストレスチェック制度」が導入されました。この制度は、労働者が抱えるストレス状況を検査して、本人のその状態を伝え気づかせるという制度です。このような制度が施行されるほど、日本は超ストレス社会といえます。
社会的な問題でもあるストレスも、オフィスBGMで緩和できます。
今回は、オフィスBGMはストレス緩和する理由を4つ紹介します。
厚生労働省が2016年に行なった「労働安全衛生調査」では、仕事においてストレスを感じているとい人は、2016年の段階で59.5%となっており、回答者の半数以上が、業務に対してなんらかのストレスを抱いているという結果が出ています。[注1]
対してメンタルヘルス対策に臨んでいる事業所は、56.6%となっており、すべての事業所 / 企業で、従業員のストレスケアが行われているとは言えない状況です。
ストレスケアの取り組み内容としては、ストレスケア対策に関する教育研修や、事業所内での相談体制の整備などが挙げられていますが、そこまでの時間や人手がないといった場合は、オフィスBGMで、社員のストレス緩和をはかるのがおすすめです。
[注1] 労働安全衛生調査
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/h28-46-50_gaikyo.pdf
音楽を聴いたり演奏したりすることで、ストレスや不安を解消して、心身の健康を整える「音楽療法」があるように、音楽はメンタルヘルスの改善に効果を発揮します。
・1. 「1/fゆらぎ」がリラックス効果をもたらす
クラシックや環境音楽のなかには、「1/fゆらぎ」が含まれています。「1/fゆらぎ」とは、心拍や川のせせらぎなどにあるとされる周波数の特性です。
この「1/fゆらぎ」には、心身がリラックス状態にあるときに分泌される「α波」を誘発するため、「1/fゆらぎ」を耳にすることで、ストレスの解消につながるといえます。
「1/fゆらぎ」は音楽だけでなく、ロウソクの光の揺れといった視覚情報にも存在しており、東京電機大学で行われた実験では、5人の被験者にLED照明を間接的に一定時間照射。生理変化の測定を行いました。結果、心理的評価結果において、不安感が減少したどころか、リラックス度が向上し、「α波」が増加したと報告されています。[注2]
[注2] 1/f ゆらぎを適用した癒し環境空間の検討 東京電機大学 情報環境学部
http://www.lab.ine.aj.dendai.ac.jp/homepage/institute/2007/09-ieice-society/nakamura.pdf
・2. ストレスホルモン「コルチゾール」の減少を促す
イライラを感じているとき、血中にはコルチゾールと呼ばれるホルモンが増加します。このホルモンは別名「ストレスホルモン」と呼ばれており、唾液検査で測れるため、ストレス診断に用いられるほどです。
音楽はこのストレスと深く関わる「コルチゾール」を減らす効果があります。実際に、音楽を聴いたグループとそうでないグループを比較した結果、音楽を聴いたグループにコルチゾールの減少が見られた実験結果もあります。[注3]
このように、音楽を聴くことで、ストレスの元凶である物質の低下が見込めます。
[注3]音楽のストレス解消効果 富山大学人学部
http://www.hmt.u-toyama.ac.jp/kenkyu/kiyo56/ebihara56.pdf
・3. 音楽がもつ行動誘導効果でモチベーションを高める
アスリートが大会や試合の前に音楽を聴いているシーンを目にしたことがある人は多いでしょう。このように、音楽には、モチベーションを高める効果が期待できます。その理由は音楽がもつ行動誘導に秘密があります。音楽には、テンポや音の高低などによって聴き手の行動に影響を及ぼすとされています。
そのため、ストレスを感じてリラックスしたい、発奮したいといった時に音楽は効果を発揮します。
・4. マスキング効果で「音」によるハラスメントで感じるストレスを低減
マイナビニュースが行なった「場で周りの人の音が気になったことがあるか?」という調査では、気になったことがあると答えた人は55.5%。その具体例として、ボールペンのノック音や鼻をすする音などが挙げられています。
社内にいる以上、ある程度の雑音は仕方ありませんが、集中したいのに阻害されてしまうこともあります。このようなオフィスに響く雑音も、オフィスBGMを導入することで軽減され、ストレスの低減につなげます。
マスキング効果とは、ある一定の周波数帯を流すことで、同じ周波数の音を打ち消すという効果です。この効果により、雑音に対するイライラが解消されるということです。
[注4] 職場で気になってしまう騒音は? - 「タイピング音」「平手打ち」「咀嚼音」 | マイナビニュース
https://news.mynavi.jp/article/20170606-a239/
オフィスにBGMという発想を。オフィスにBGMを流すだけでポジティブな効果がたくさん!
オフィスには「オフィス専用」のBGM、ぜひ試してみませんか?
厚生労働省の2016年「労働安全衛生調査」では、パワハラをはじめとした対人関係の悩みでストレスを抱えている人が、30.5%となっています。このようにハラスメントも、オフィスBGMを流して、社内のストレスを解消することで、軽減できます。
特に精神的な嫌がらせを行う、モラルハラスメント(モラハラ)、立場を利用したパワーハラスメント(パワハラ)といったハラスメントの原因には、「ストレス習慣型」という分類があります。このケースは、慢性的なストレスを感じていることで、そのイライラを立場の弱い存在などにぶつけるというものです。
そのため、ハラスメントの元凶であるイライラやストレスを取り除くことで、社内の雰囲気を良好に保てます。
音楽はストレス解消に適していますが、そのなかでも、オフィスBGMとしてストレス解消に効果的な3つのジャンルを紹介します。
・1. クラシックやアンビエントなどの「1/fゆらぎ」を含む音楽
先述のように、音のなかには、「1/fゆらぎ」があり、聴く人の気持ちをリラックスさせます。この音は、モーツァルトやバッハといったクラシック音楽に多分に含まれているのに加えて、アンビエントをはじめとした環境音楽にも含まれています。
・2. ボサノヴァでほどよくリラックして仕事に集中
南国、ブラジルで生まれた音楽であるボサノヴァ。サンバほどは陽気ではありませんが、シンコペーションの利いた小気味良いリズムとギターのカッティングが心地よいジャンルです。ジャンル全体を通して、レイドバックした雰囲気なので、社内BGMとして流せば、リラックスして仕事に臨めます。
・3. フュージョンやスムースジャズで爽やかな雰囲気を演出
ジャズを基調にしつつも、ラテン、R&Bの要素を取り込んだフュージョンと、そこから派生したスムースジャズは、テレビの気象予報のBGMなどでも使われることもあります。イージーリスニングにも通じる耳馴染みの良さから、オフィスBGMとして使用しても不快感を与えません。
音楽はストレスケアに効果的ですが、すべてのジャンルがそれにあてはまるとはいえません。逆にストレスフルな環境を作ってしまう恐れもあります。
例えば、誰もがあまり耳馴染みのない、アヴァンギャルドな音楽や辺境系と言われるワールドミュージックなどはオフィスBGMに適していないといえます。これらのジャンルは、普段人々が耳にしているポップスとは、音階や旋律が異なることもあります。
そのため、なかなか耳に馴染まず、集中力を削いでしまう可能性を考慮しましょう。
仕事をしている以上、少なからずストレスやプレッシャーを感じる場面はあります。ですが、それはオフィスBGMを上手に活用することで、軽減できます。ストレスが緩和されれば、離職率低下や生産性向上にもつながります。
オフィスBGMとして適した音楽ジャンルを選び、社内の雰囲気を良好なものにしましょう。
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