コラムCOLUMN
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BGMでの快適なオフィス環境作り
オフィスBGMは多くの企業で導入されている、オフィス環境改善手段のひとつです。オフィスBGMには大きく、イメージ誘導効果・感情誘導効果・マスキング効果の3つの効果があり、導入シーンや目的に合わせて活用されています。
今回は、主にオフィスBGMがもつ感情誘導効果にスポットをあて、リラックス効果を得やすい音楽についてご紹介します。導入を検討している、あるいは導入しているものの選曲に悩んでいるという方は、ぜひ参考にしてみてください。
リラックス効果が高い音楽ジャンルとしてまずご紹介するのは、ヒーリング音楽です。
・ヒーリング音楽とは?
ヒーリング音楽とは、誰が聞いても心が落ち着き、癒される音楽のことをさします。例えば、鳥のさえずりや波の音などの自然音は万国共通で、誰もが癒されリラックスできる音ではないでしょうか。ヒーリング音楽には自然音のような万人に安らぎを与える普遍性があります。
ヒーリング音楽の多くには、人間をリラックス状態へと導く「1/fゆらぎ」が含まれているのもほとんどです。1/fゆらぎとは、音や光、空気の流れなど規則的に生じる動きと、それに反して部分的に生まれるものが調和した状態のことです。川のせせらぎや鳥のさえずりなどの自然音やろうそくの火、電車の揺れなども1/fゆらぎであるといわれています。
ヒーリング音楽を聞くと、この1/fゆらぎによって自律神経のバランスが整い、リラックスすることが可能だといわれています。
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ヒーリング音楽に見られる最大の魅力は、シンプルかつ美しい、繰り返されるメロディーです。リズムはゆったりとしたテンポ感のものが多くみられます。音楽の3大要素「メロディー(旋律)」「ハーモニー(和音)」「リズム(拍子)」に明確な特徴がある、穏やかな音楽です。
ヒーリング音楽の代表的なミュージシャンとして、喜多郎やジョージ・ウインストンなどがあげられます。自然音に似た特徴をもつ音楽ジャンルとして、心身のリラックス効果に大いに期待されている音楽ジャンルです。
クラシック音楽はオフィスではもちろん、飲食店や整体・サロンなどのさまざまなお店でBGMとして選曲されている音楽ジャンルです。長きに渡り世界中の人々を魅了してきたクラシックですが、その起源は今からおよそ1500年前にも遡ります。
・クラシック音楽の歴史
現代において、バロック音楽・古典派音楽・ロマン派音楽などの16世紀~20世紀頃の音楽を一般的にクラシック音楽とされることが多いですが、それ以前からクラシック音楽の基盤は作られてきました。
クラシック音楽のベースが作られたのは、5・6~15世紀中頃の中世音楽にまで遡ります。ローマ・カトリック教会の典礼の中で無伴奏で歌われる「グレゴリオ聖歌」から始まったといわれています。
本格的にクラシック音楽の基礎が確立したのは、17世紀初頭~18世紀中頃のバロック時代です。この時代に器楽音楽が発展し、近代音楽の作曲技法の基盤が作られ、ヴィヴァルディ、バッハ、ヘンデルなどの有名作曲家達によって多くの名曲が誕生しました。
その後、18世紀中頃~19世紀初頭の古典派の時代に交響曲・協奏曲・ソナタなどの音楽形式が定着。モーツァルト・ベートーヴェン・ハイドンなどは、古典派の時代の代表的な作曲家です。
19世紀初頭~20世紀初頭のロマン派時代には古典派音楽をベースに思想・感情・憧れなどの自己表現要素が取り入れられ、より洗練された音楽へと発展。20世紀以降の現代では、印象主義・原始主義などの多くの主義・主張が生まれ、さまざまな音楽様式が誕生しました。
・クラシック音楽がもたらす効果
クラシック音楽の周波数には、人を心地よく感じさせる「1/fゆらぎ」が含まれる傾向が強いといわれています。つまり、リラックス効果が非常に高い音楽ジャンルとして証明されているのです。
昨今の研究ではさらなる効果も認められており、クラシック音楽がもつ可能性は今後ますます研究が重ねられ、活用シーンがますます増えることが予想されます。
オルゴールを聴いていると自然と気持ちが落ち着くと感じる方は多いのではないでしょうか。オルゴール音楽は、前述のヒーリング音楽やクラシック音楽と同様に人間の身体に良い影響を与える音楽ジャンルとされています。
・オルゴール音楽に含まれる高周波音
オルゴールに含まれている高周波音には、リラックス効果・ストレス軽減効果・免疫力向上といった癒し効果が高いという結果を元千葉工業大学の教授、大橋力氏が米国生理学会で2000年に発表しました。実際に、高周波音を含んだ音を聞かせる実験で、感情や感性に関係する部分や自律神経に関わる部分が活性化していることが明らかになっています。心身がリラックス状態の時に発する脳波「α波」も多くなり、高周波音には高いリラックス効果を期待できます。
・オルゴールの癒し効果から広がる可能性
オルゴールの音色を聞くことで脳が活性化し、血行促進や心身の健康状態を整える効果につながると徐々に学会で認められつつあります。明確に病気に効くという断定はできませんが、精神的に落ち着いたり、寝つきが改善したりといった効果を得られる場合あるようです。今後の研究結果次第ではオルゴール療法による可能性がさらに広がり、認知症予防をはじめとした脳の病気を中心に医療の現場での活用も期待できます。
私たちは音楽が人間にもたらす効果を意識的もしくは無意識的に感じ、生活の多くの場面で享受しています。音楽がもつリラックス効果を利用したBGMの導入は、さまざまな場所でされており、オフィスBGMはその代表的な例です。オフィスBGMを導入することで従業員の心身をリフレッシュさせ、作業効率・集中力アップにつなげることができます。
最も効果的な導入場所は、オフィスの休憩室です。長時間の仕事で疲れた体を聴覚から脳に働きかけることで、リラックスさせることができます。また、音楽がもつイメージ誘導効果がゆったりとした空気感を作り出し、不安な気持ちやイライラした気持ちをリセット。心に余裕ができ、他の人とのコミュニケーション活性化にもつながります。
今回ご紹介したヒーリング音楽・クラシック音楽・オルゴール音楽はリラックス効果が高い音楽ジャンルとして代表的です。ぜひオフィスの休憩室にこれらの音楽を導入してみてください。
音楽のもつさまざまな効果が昨今の研究で明らかになっており、なかでもリラックス効果は音楽がもつ確かな効果として期待されています。オフィスBGMをはじめとするさまざまな場面で活用されていますが、その選曲を間違えると安らぎの空間を演出することができなくなってしまいます。
今回ご紹介した3つの音楽ジャンルはリラックス効果が高いものとしてすでに研究が進んでいるジャンルです。ぜひBGM選曲の参考にしてみてください。
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