コラムCOLUMN
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BGMでの快適なオフィス環境作り
一生の3分の1を費やすといわれているほど、人間にとって大事な睡眠。睡眠が不足すると仕事への影響もでてきます。業務への支障をなくすためにも、今回は社内で仮眠する際におすすめのBGMを紹介します。
睡眠不足だと眠くてやる気が出ないというのは誰しもが経験しているはずです。それ以外にも睡眠不足は、集中力や記憶力の低下の原因となります。当然、睡眠不足で仕事に臨めば、作業効率が下がり、普段では起きないようなミスにつながってしまいます。
睡眠不足によるミスや集中力の低下、リフレッシュの意味を兼ねて仮眠をとることは大切です。事実企業のなかには昼食後のパフォーマンスを高めるために、率先して仮眠制度を導入しているところもあります。
・仮眠は生産性向上に大きな効果がある
株式会社ニューロスペースと三菱地所は、仮眠室を利用した従業員の生産性が向上するかを共同で調査。2018年8月にその結果を発表しました。[注1]
調査の結果、仮眠をとった従業員のほうが、仮眠をとらなかった従業員よりも、主観的、客観的にも、高い集中力を得たことがわかっています。
このように仮眠をとることは、その日の仕事をより効率的にこなすうえで必要といえます。
【注1】株式会社ニューロスペース - 眠りは、技術です。だから上達します。
https://neurospace.jp/news/20180808-1/
快適な仮眠をとるために音楽は有効であることが、2006年、ハンガリーで行われた実験で明らかになっています。
この実験では、寝付きが悪いという60?83歳の60人を対象に、ジャズ、クラシック、ヒーリング・ミュージックなどを聞かせ、どれだけ睡眠に影響を与えるかを検証。
それぞれが好みの音楽を、睡眠時に45分聴いてもらったところ、睡眠時に音楽を聴いたグループは、聞かなかったグループよりも入眠までの時間が短くなりました。
このように音楽は、睡眠に入るうえで効果的なことがわかります。仕事中の仮眠となれば、休憩時間で効率的に寝入る必要があります。そのため、寝付きを早める音楽を聴きながらの睡眠は仮眠に最適といえます。
睡眠に効果を及ぼす音楽。仮眠に適した音楽を選ぶ際はBPMと1/fゆらぎ、ホワイトノイズに注目して選びましょう。
・BPM60のゆったりとしたテンポの楽曲
音楽にはテンポがありますが、睡眠に適した音楽のテンポは、BPM60ほどのゆったりとしたものがよいと言われています。この理由は、大人の心拍数が60?70程度であるため身体のリズムと調和がとれリラックスできるということです。
例えばベートーヴェンによる交響曲第6弾「田園」の第5楽章はBPM60にあたります。
人間の心拍数は、睡眠が深くなるにつれ減少していきます。そのため、あまりにアップテンポな楽曲の場合、体内のリズムとのズレを感じて、なかなか寝付けないということもあります。
そのため、仮眠時にはクラブミュージックのようなアッパーな楽曲は避けて、アップテンポな楽曲を選ぶようにしましょう。
・1/fゆらぎが入っている楽曲
音楽は人の集中力を高めたり、意欲をあげたりとさまざまな効果がありますが、リラックス効果を支えるのが、1/fゆらぎです。1/fゆらぎとは「ピンクノイズ」とも呼ばれており、自然界にも存在するものです。例えば電車の揺れや、ろうそくの揺れがそれにあたりますが、なかでも音楽における1/fゆらぎが有名です。
この1/fゆらぎが入った音楽を聴くと、脳内でa波を生まれ、リラックスした状態になるといわれおり、睡眠への効果的な活用が期待できます。
1/fゆらぎは、自然界の音に含まれているため、仮眠する際は、アンビエントやサウンドスコープなどを聴くのがおすすめですが、モーツァルトが手がけた音楽にも、1/fゆらぎが含まれているといわれています。
また、人や動物の声、自然の音などを加工・サンプリングしたミュージック・コンクレートもおすすめです。
・ホワイトノイズで周囲の雑音を打ち消す
1/fゆらぎ(ピンクノイズ)に対して、騒音と感じる音を打ち消すホワイトノイズがあります。ホワイトノイズを流している際は、周囲の音が小さくなったように感じます。一方、ホワイトノイズ自体は、脳が無視しやすいため、睡眠の妨げになるという心配がありません。
・ほどよくリラックスしつつビートもあるチルアウトミュージックで仮眠をする
アンビエントやサウンドスコープのように、環境音を取り入れた音楽ジャンルにチルアウトミュージックが挙げられます。アンビエントとチルアウトの違いは、チルアウトの方が、ビートがくっきりしているところです。そのため、心地よいリズムに誘われて寝付くことが期待できます。
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テンポと1/fゆらぎ、ホワイトノイズが、睡眠導入に効果的な音楽ですが、歌詞がある楽曲はなるべく避けましょう。歌詞がある楽曲の場合、その物語性や言葉ひとつひとつに意識が集中してしまい、睡眠の妨げになる可能性があります。
仮眠時に音楽を聴く場合は、なるべく歌詞がない楽曲を選ぶようにしましょう。
仮眠に適した音楽とあわせて知っておきたいのが、理想の仮眠時間です。人間の眠りは浅い状態からはじまり、次第に深くなり、また浅くなるという繰り返しです。この流れも、寝不足の場合は、深いところまで早く到達しやすく、深いところで起きてしまうと、シャキッと目が冷めた状態に戻るまで時間がかかってしまいます。
そのため、この睡眠のバイオリズムに則り、理想的な仮眠時間は深いところに行く前の15分程度が理想とされています。
・仮眠する30分前から社内BGMを睡眠用にしておく
人間は寝ようにもいきなり寝付けるわけではありません。寝付きまでの時間は一般的に10分以内が寝付きがよいとされています。一方寝付きが悪いとされるのは、睡眠まで30分を上回る場合です。
この点から仮眠の30分前から、BGMを睡眠用にしておくとよいといえます。
・仮眠をとるなら13時前から
株式会社ニューロスペースと三菱地所による仮眠に関する調査では、仮眠がパフォーマンスに与える影響に加え、何時頃に眠気に襲われるかについてアンケートをとっています。
その結果、14時?15時の間に感じると答えた人が最多となっています。ですが、14時に仮眠をとればいいかというとそうではなくて、13?14時にかけて眠気を感じる人も一定数います。ですので、仮眠は睡魔が襲う前である13時前にとっておくとよいでしょう。
13時前に仮眠をとり、かつ仮眠する30分前から社内BGMを睡眠用にするとなると、12時半頃から社内BGMを睡眠用にしておきましょう。
ここまで紹介してきた仮眠と、それにおすすめの音楽ですが、仮眠をとるには全社をあげた取り組みが必要です。仮眠は作業効率向上に必要不可欠ですが、「眠る」という観点から、業務をサボっていると映ってしまうところもあります。
そのため、社内をあげて仮眠を推奨する必要があります。事実、仮眠を導入して業務効率化をはかっている企業は多くあります。
仮眠をとることで、リフレッシュして午後からの業務を効率的にすすめられます。午後からの英気を養うためにも、仮眠に最適な音楽を聴いて、十分な睡眠をとりましょう。
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