コラムCOLUMN
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BGMでの快適なオフィス環境作り
近年、音楽にはさまざまな生理的にプラスな効果があるということが判明しつつあります。なかでも、ジャズや雨の音は覚醒効果やリラックス効果など多くの素晴らしい効果を持つことが知られているのです。
本記事では、ジャズの音や雨の音を一緒に流したり、単独で流した場合にどのような効果があるのかを解説しています。BGMの効果に関して説明していますので、ぜひオフィスBGM選びの参考にしてみてください。
ジャズと雨の音を一緒に流すとどのような効果があるのか、それぞれの効果に焦点を当てつつ具体的に解説をしています。音楽別のBGMの効果を把握することができれば、目的別にBGMを設定することもできるようになるでしょう。
●ジャズの効果
ジャズには聞いている人の集中力を適度に高める効果があるということが実験により判明しています。この実験は高校生を対象とした実験でまず各クラスから抽出した生徒を男女2人ずつ4つのグループに分類し(各クラスの人数は16名ずつ)それぞれのグループを、スムーズジャズ、メタル、ポップ、無音の4種類に分類し、それぞれの音楽を流しながら読書をしてもらい、最後に読んだ文章に関する質問をして正答率を確かめるという調査の例があります。その調査の結果、1位がスムーズジャズ、2位が無音、3位がメタル、4位がポップの順となり、スムーズジャズが最も正答率が高いことが分かりました。
このように、ジャズにおけるプラスな効果はここで紹介した実験以外にもさまざまな論文、実験において証明されつつあります。音楽を利用して作業に対する集中力を高めたいという方は、ぜひオフィスでジャズを流してみることを検討してみてはいかがでしょうか。
●雨の音の効果
雨音には交感神経を減衰させ、副交感神経を促進させる働きがあることが複数の研究により判明しています。交感神経と副交感神経は自律神経の一種で、そのうち交感神経とは人が覚醒した時に活発になる神経で、逆に副交感神経は人がリラックスしているときに活発になる神経とされています。
具体的には、安眠しているときやベッドでリラックスしているときなどに副交感神経が活発化し、一方で格闘技の試合中や興味があることに打ち込む際など活発的な行動をしているときに交感神経が活性化します。なぜこのような不思議な効果があるのかといえば、ジャズや雨の音には人がリラックスしているときにでる脳波である「アルファ波」を引き起こすリズムが含まれているからとされています。アルファ波は目を閉じてリラックスし、眠りに入ろうとしているときなどにでる脳波ですが、音楽は、そのようなリラックス状況を疑似的に作り出せるということです。
では「副交感神経が促進されてリラックスしたからオフィスでどう意味があるの?」という話ですが、長時間のオフィス作業ではパソコンなどによる刺激により自律神経が段々と有意になってくる傾向があり、結果として体や気分の調子が崩れるということがあります。このため長時間のオフィス作業などで自律神経失調症気味になってしまった社員の状況を緩和したいという目的がある場合などは、雨の音を使用してみてはいかがでしょうか。
●雨の音には「1/fゆらぎ」がある
雨の音を聞いているとなぜか落ち着くという方は多いのではないでしょうか。これについて実は科学的に理由が解明されていて、人は「1/fゆらぎ」を感じるとリラックスできるというものです。この「1/fゆらぎ」というものを聞きなれていない方もいると思いますが、非常に身近なものにも含まれている事象です。例えば、電車の走る音や波の音にも含まれており、音以外のものだとロウソクの炎のゆれや木目がそれに当たります。火を見ているとなんだか落ち着いてリラックスできたり、木造の家を見ると温かみのある柔らかい印象を受けるのはそのためです。
これらのものに共通することは一定の規則なかに予測できない不規則なゆらぎがあるものであり、「1/fゆらぎ」のある音を聞くと人はリラックスできるということです。
●ジャズと雨の音を組み合わせたときの効果
ジャズと雨の音を組み合わせたときは雨の音を単体で聞く場合と比較して、よりリラックス効果が強化されるとされています。リラックス効果の高いジャズと雨の音を合わせることによって、よりBGMがもつ「リラックス効果」を強化することができると言う事ができるでしょう。例えば天候が雨の日のオフィスBGMは必ずジャズを流すという決まりを作れば雨の日の憂鬱が少し改善されるかもしれません。
オフィスにBGMという発想を。オフィスにBGMを流すだけでポジティブな効果がたくさん!
オフィスには「オフィス専用」のBGM、ぜひ試してみませんか?
ここまでオフィスBGMにおけるジャズと雨音には多くの効果があるということを解説してきました。しかし、それらBGMも使いどころによっては効果がなくなってしまうことがあります。
ということでこの項目ではジャズや雨音の効果が失われてしまう状況について説明しています。ぜひ参考にしてみてください。
●BGMが却って作業の邪魔になることもある
曲の音量によってはBGMの音が大きいことによって、作業よりもBGMの方に集中が向いてしまい、オフィスBGMが作業の邪魔になってしまうことがあります。たとえば、雨の音やジャズは適度な音量であれば集中力を高め、リラックス効果をもたらしてくれますが、耳に響くような大音量になってしまうと集中はおろか、気が散ってしまうことになりかねません。そのため、BGMをオフィスでかける際には、集中力が散らない程度の適量で流すようにしましょう。
●すべての曲が万人に効果を持つわけではない
BGMはさまざまな効果を持ち、オフィスで流すことにより、作業効率を上げたり、社員の集中力を上げたりすることができるということでしたが、これには例外もあり「好きでない音楽の場合はあまり効果が出ない」ということです。
●頭を使う仕事の場合はBGMの効果がマイナスになることもある
複雑な演算を必要とされるような頭脳労働においては、高い集中力が必要とされるため些細なBGMでも集中の妨げになってしまい、結果として音量の大小に関わらずBGMが作業効率を低下させてしまう場合があります。
ですからプログラマーや弁護士などといった高度な頭脳労働を要求される仕事においては、基本的にBGMを利用しないほうが良いといえます。しかし、そのような頭脳労働においてはメリハリが非常に大事になってきます。例えば休憩をとっている時間、仕事場が無音だったらリラックスすることは難しいでしょう。仕事のことが頭から離れず休むことができないかもしれません。そこで会社全体での休憩の時間を設定しその時間帯はBGMを流すことにより従業員をリラックスさせて十分に休憩を取らせてあげましょう。もしかしたらそれが仕事の効率を上げる要因になるかもしれません。一斉に休憩を取るのが難しい場合は休憩場所などを設置しそこでBGMをかけておく事がおすすめです。
また一般的な事務業務などにおいては適度に仕事場にBGMを掛けた方が集中力も維持しやすく、全体的にプラスの効果があるといえます。
ここまでBGMの効果について解説をしてきました。BGMには作業の効率を変化させる効能があり、有効に活用することができれば作業効率を大きくアップさせることがあります。一方で、デメリットも把握していなければ、作業効率を低下させてしまうことも少なくありません。バックグラウンドミュージックがもつメリットデメリット両方の効果を把握したうえで有効に活用し、しっかりと作業効率をアップさせられるようにしましょう。
オフィスにBGMという発想を。オフィスにBGMを流すだけでポジティブな効果がたくさん!
オフィスには「オフィス専用」のBGM、ぜひ試してみませんか?