コラムCOLUMN
コラムCOLUMN
BGMでの快適なオフィス環境作り
近年では、オフィスBGMを活用する動きが増えています。そして、数あるBGMのなかでも特にモーツァルトなどのクラシック曲は、人の脳や心理に働きかける効果が高いのです。では、モーツァルトなどのクラシックはどのような効果をもたらすのでしょうか。ここでは、モーツァルトをはじめクラシックの恩恵について見ていきます。
あるデータでは、静かなオフィスでは居心地が悪いという人は調査した全員の半数を占めるとされています。一方で、オフィスBGMを用いない静かなオフィスで仕事をしている人は6割近くで、オフィスBGMを導入している企業はあまり多くないことがわかります。しかし、オフィスに音楽を流すことは仕事の効率を上げたり気分転換になったりといった利点があるのです。
特に、クラシック音楽をかけるとオフィス内で働く人によい変化が見られます。その変化とは、主に以下のようなものです。
・イライラした気分が落ち着く
・集中力が上がる
・単純作業のスピードが上がる
・ミスが減る
・仕事の成果の質が上がる
など
これらの効果をもたらす理由にはいろいろありますが、まずあげられるのは歌詞を含まないことです。歌詞がないことで、音楽に気を取られずに作業に集中することができるのです。また、ボーカルの入ったロックやポップスなどでは好みが分かれるため、好みでない人にとってはただの雑音にもなりかねません。その点、クラシックは比較的に聴く人を選ばないという点も利点でしょう。
また、クラシックの構成は非常に計算されたものであり、複雑な音の重なりやメロディのつながり、章立てなどは実はロジカルに組み立てられています。このロジカルな構造により、人の論理的思考もかきたてられるといわれています。特にモーツァルトの曲は高い構成力を誇り、上記にあげたような効果が得られやすいのです。
では、オフィスBGMとしてモーツァルトの曲をはじめ音楽を流すことで、どのような効果をもたらしてくれるのでしょうか。一般的には、以下のようなことが語られます。
・雑音を消すことができる
たとえば、オフィスでの雑音にはキーボードを叩く音や人の話し声など、気になるものが多くあります。これらはいったん気になりだすと集中を欠き、忙しいときにも手が止まりがちになるものです。このような状況で音楽を流すと、雑音を消して落ち着くことができるのです。これを、マスキング効果といいます。
・印象や気分を左右する
音楽を聴くとさまざまなイメージが頭に浮かんでくるものです。たとえば、クラシックでもゆったりした曲は心理的に落ち着くことはもちろん、優雅で豊かなイメージを持つこともできます。そしてテンポの速い曲は気持ちが高揚し、急ぎの仕事や終業前にかけると仕事が速くなるともいわれているのです。
・行動をコントロールする
これは経験のある人も多いでしょうが、テンポの速い曲をかけると作業が迅速になるほかモチベーションの向上にもつながります。そして、ゆったりした曲をかけるとじっくり作業に取り組めるでしょう。音楽には、こうした行動をコントロールする効果も見込めるのです。
・精神的なセラピー効果
クラシックには、イライラした心や落ち込んだ心を癒す効果も見込まれます。また、心拍数を抑えたり免疫力が上がったりという効果もあるとされているのです。こうした音楽セラピーは、医療現場でもよく用いられる方法です。そしてモーツァルトの音楽にスポットを当てると、このようなセラピー効果が特に大きいといわれます。
オフィスにBGMという発想を。オフィスにBGMを流すだけでポジティブな効果がたくさん!
オフィスには「オフィス専用」のBGM、ぜひ試してみませんか?
では次に、モーツァルトはじめクラシックの効果について、科学的な側面から見ていきましょう。音楽は脳や心理に深く働きかけるものであり、その効果が科学的に証明されているのです。その効果には、以下のようなものがあります。
・A10神経を刺激する
A10神経とは、脳幹から視床下部を通り、側頭葉、前頭前野まで至る神経系で、ドーパミンの分泌を司ることからドーパミン神経系ともいわれています。音楽はこのA10神経を刺激するとされ、それによりドーパミンが分泌されて気分が高揚し、やる気を出すことができるのです。そして、特にクラシックはA10神経を刺激しやすいといわれています。
・自律神経バランスが整う
前述のように、モーツァルトなどのクラシックは緻密な計算によってロジカルに組み立てられた音楽です。この構成力は、脳を適度に刺激し、ドーパミンのほかにセロトニンやアセチルコリンといった神経伝達物質を分泌させることにもつながるのです。セロトニンは心を落ち着け自信を持たせ、アセチルコリンはイライラした気持ちを静めるとされています。そしてこれらのホルモンの影響により自律神経のバランスが整い、心身ともに健やかな状態を保てるのです。
・1/fゆらぎを含む音楽
1/fゆらぎとは、川が流れる音や風の音などの自然音に含まれる音のゆらぎです。これは人の生体リズムと共鳴し、心地よい気分にさせてくれます。そして、モーツァルトの音楽にはこの1/fゆらぎが含まれるため、自然音を聴いているようなリラックスした気分になれるのです。
男性と女性では脳の構造が多少違うことから、同じクラシックでも仕事に影響を与えるクラシックのタイプも存在します。オフィスには男性と女性が混在しているため、性別ごとに異なる音楽を聴かせるのは難しいですが、知識として男性と女性それぞれにマッチするクラシックの特徴について述べていきましょう。
男性の場合、数多くのメロディを同時にとらえることができるとされています。そのため、複数の楽器の音が重なり合うシンフォニーを聴くと適度に脳が刺激されて、快感を得ることで仕事の効率が上がるとされています。モーツァルトの曲なら「セレナーデ第13番(アイネ・クライネ・ナハトムジーク)」などがいいでしょう。
一方女性の脳は、単体の楽器が奏でる音に反応する性質を持つとのことです。そのため、ピアノや弦楽器単独で表情豊かなメロディを奏でる音楽がおすすめです。モーツァルトの曲でいえば、「ピアノソナタ第11番(トルコ行進曲付き)」はいかがでしょうか。
モーツァルトなどのクラシックを聴くことで仕事への効果が期待されますが、さらに仕事効率をアップさせる方法があります。こちらでは、その方法について述べていきましょう。
・単純な作業をメインに片付ける
書類整理や数値の入力、また工場でのライン作業など、単純な作業はすぐに飽きてしまいがちです。しかし、クラシックを聴きながらやると手の動きが速くなり、効率が上がるといわれているのです。
・緊張する仕事に取り入れる
クラシックは気持ちを落ち着ける効果が見込めるため、プレゼンの前など緊張しがちなときに聴くと気持ちがほぐれてきます。
・時間帯ごとに流す音楽のテイストを変える
たとえば同じモーツァルトの曲でも、ゆったりと流れる曲もあれば目が覚めるようにたたみかける曲もあります。こうしたテイストの違いを、時間帯ごとに使い分けるのもおすすめです。たとえば、モーツァルトの曲のなかでも朝は軽快なテイストで爽やかに、昼休憩のときはゆるやかな曲でリラックスし、午後以降はテンポの速い曲でモチベーションを上げるなどが効果的です。
少し前までは、オフィスでは静かに仕事するのが一般的でした。しかし近年ではオフィスBGMをかける動きが注目され、導入する企業も増えています。さらにモーツァルトをはじめとしたクラシックは、脳や心理へ働きかける効果が大きいため、仕事効率をアップさせることもできるでしょう。社員が快適かつ生産性の高い仕事を行えるよう、モーツァルトをかけてオフィスの環境変化に乗り出してみてはいかがでしょうか。
オフィスにBGMという発想を。オフィスにBGMを流すだけでポジティブな効果がたくさん!
オフィスには「オフィス専用」のBGM、ぜひ試してみませんか?