コラムCOLUMN
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BGMでの快適なオフィス環境作り
日本の基幹産業としてGDPの約20%を支えるメーカー業では、単純作業や重労働、作業音などが負担となり、ストレスや健康リスクが問題になりがちです。
特に、近年働き方改革が進められており、従業員の健康促進の意義は大きくなっています。そのような状況で、経営者や総務担当者などは、どのように健康経営を進めれば良いか頭を悩ませているかもしれません。
そこで、オフィスBGMを活用することで進められる健康経営について、事例を取り上げながら紹介します。
日本に数ある業種の中でも、ストレスによる健康リスクが高い業種として知られるメーカー業。健康リスクが高いという状況は、従業員の健康問題に関する危険度が高いことを示しています。
もちろん、会社経営者の立場から見ても、従業員の健康管理は重要です。しかし、健康リスクが高い状況は、「ストレスと集中力低下によるミス増加」や「チームワークの低下による生産性への影響」といった、会社全体のパフォーマンス低下にもつながります。
常に緊張状態が続くとストレスが高まり、その結果集中力を欠くことになります。メーカー業では、製品の品質が会社の信頼につながります。つまり、従業員の集中力が欠けることが、ひいては会社の信頼度の低下に至るのです。
従業員の疲れやストレスが蓄積すると、個々のパフォーマンスが低下するだけでなく、課や部全体の雰囲気も悪化しかねません。これは、疲労によって周囲への苛立ちが増し、連携が阻害されることで業務効率が低下するという悪循環によるものです。疲労を少しでも解消することで、職場全体の雰囲気やコミュニケーションが改善されます。
音楽を使ってどのように集中力低下を改善することができるのでしょうか。
ここでは、音楽の持つ3つの重要な機能から、集中力改善方法を解説していきます。
近年、「うつ」をはじめとした精神的な不調への対策が社会全体で重要視されており、今後ますます企業にメンタルヘルス対策が求められると考えられます。その対策として1つの糸口になるのが音楽なのです。
リラクゼーション効果をもたらす音楽を聞くことで、ストレスが緩和されます。緊張感のある作業工程が多い職場では、BGMによって従業員が過ごしやすい環境を作り出すことができます。
音楽が人体に良い影響を与えることは実証されています。例えば、音楽を聴く前と聴いた後を比較すると、唾液IgA(免疫を示す指標)が増加します。つまり、口腔内および体表面の免疫が高まっているのです。さらに、運動負荷後に音楽を聴くと、脈拍が安定することも確認されており、心身へのポジティブな作用が報告されています。
これらを踏まえると、音楽によってリラックス効果がもたらされ、自然と集中状態を保ちやすい環境が整います。
人はストレスが溜まっているとき、周囲の音にも敏感になるものです。
特に、メーカー業では、部門によっては大きな音が響くこともあるのではないでしょうか。
そのようなとき、清らかな小川のせせらぎなどのBGMを活用することで、スマートに雑音を解消できます。これを「サウンドマスキング」と呼び、不要な雑音を緩和する「マスキング効果」が、近年多くの企業から注目を集めています。
チームワークとは、任意の指示やコマンドで強化できるものではありません。「強制すると、かえって関係性が悪化する場合があります。そこで注目したいのが、オフィスBGMの活用です。音楽を流すことで、社員が会話をしやすい雰囲気を演出し、自然なコミュニケーションが促進されると考えられています。
実際、ある研究(USENのBGM研究)では、オフィス内にBGMを導入することで、上司と部下のような縦の関係におけるコミュニケーション満足度が高まるという結果が示されています。
オフィスデザインを大幅に変えることなく、BGMの「イメージ誘導効果」を活用することで、空間全体の雰囲気を一変させることができます。例えば、明るい爽快なBGMが流れることで、無機質に見えていたオフィスがポジティブな空間に変わり、社員の連帯感やチーム意識も高まります。
さらに、健康経営の重要な要素として「心身のリフレッシュにつながる環境づくり」を目指す企業も増えている中で、音楽によるイメージ効果は依然として有効です。BGMが「なんとなく気分を上げるもの」だけでなく、気持ちを落ち着かせたり集中力を高めたりする効果があることも、多くの研究で示唆されています。
IT技術の進歩に伴い、パソコンを使うデスクワークが増え、長時間椅子に座り続けてストレスを溜めやすい働き方が一般的になってきました。また、デジタルツールへの依存によって、同僚間のつながりが希薄になり、「チーム」という意識が薄れてしまう傾向があるという指摘もあります。
そこで必要なのは、適度なボリュームで流れる音楽です。明るい音楽やリズミカルなサウンドをさりげなく流しておくと、昼休みや業務の合間の会話が生まれやすくなり、職場全体が活き活きとした雰囲気になります。BGMを流すとコミュニケーションや集中力が向上し、作業にポジティブな印象を持つという調査結果も報告されています。 例えば、歌詞のないインストゥルメンタル曲や耳障りのない曲を選ぶと、より集中しやすく、ストレスも軽減される可能性があります。
このような職場環境改善は、社員のモチベーション向上だけでなく、経営や健康面でも大きなメリットをもたらします。 心身ともに健康な状態で働く従業員が増えれば、生産性の向上や組織全体の活性化につながるでしょう。
メーカー業では、製造現場だけでなく、バックオフィスにおいても従業員の健康や生産性を向上させる取り組みが注目されています。近年は「健康経営」の一環として、オフィスのデザインや環境整備を見直す企業が増えており、その中でも「オフィスBGM」を活用する企業が増加傾向にあります。適切に音楽を取り入れることで、空間に変化をもたらし、リラックスできる雰囲気を創出、さらに業務効率の向上といった効果が期待できます。ここでは、メーカー業界を中心にオフィスBGMを上手に活用している3つの事例を紹介します。
ある非鉄金属の総合素材メーカーでは、分析作業を取り巻く環境の変化に伴い、従業員にかかる精神的なプレッシャーが増加していました。そこで、ストレスを緩和するために、BGMの導入に至ったそうです。
朝と作業の締めくくりの時間帯で異なる雰囲気のBGMを流すことで、一日のリズムを整えられるように工夫しました。
さらに、休憩開始の5分前にはあえて音楽を止めることで、従業員が「そろそろ休憩だ」という意識を自然に持てるようにしたそうです。この取り組みにより、職場内の雰囲気が明るくなっただけでなく、業務効率や残業時間の削減にもつながりました。
鉄骨を加工・販売している卸売会社では、オフィス内のあらゆるスペースでBGMを流すというユニークな取り組みを行っています。オフィス家具も明るい色味やポップなデザインで統一しており、BGMとの相乗効果を生むことで、活気のある空間づくりに成功しました。
鉄鋼業界というと無骨でクールなイメージを抱かれがちですが、この会社では音楽の力を上手に活用し、見事にイメージを変革しました。オフィスBGMをはじめとするオフィスデザインが健康経営と結びついている事例といえます。
世界的に有名なスポーツ用品メーカーなどでも、オフィスBGMを導入する動きが盛んです。あるオフィスでは、ミーティングルームが非常に広く、声がよく響くために会話の音量やトーンに気を遣う必要がありました。そこでBGMを流すことで空間全体を和らげ、リラックスできる雰囲気を作り出すことに成功しました。
さらに、使用目的に合わせて異なるジャンルの音楽を流すことで、集中したい場面や雑談を活発にしたいときなど、状況に応じた空気感を演出できます。これによりミーティングの頻度や質が高まっただけでなく、従業員のストレス軽減やコミュニケーション促進にもつながっています。今後は音のマスキング効果などを活かして、さらに集中力を高める取り組みを検討しているそうです。
「健康経営銘柄」や「健康経営優良法人認定」※を目指す際にも、オフィスBGMの導入実績はアピール材料になります。企業の健康管理や働きやすい環境づくりが評価されるこれらの制度では、BGM活用によるストレス軽減やコミュニケーション促進といった成果が大きなポイントとなります。
※「健康経営銘柄」は、経済産業省と東京証券取引所が共同で実施する制度で、有力企業の中から従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組む企業を選定。 一方、「健康経営優良法人認定」は経済産業省と日本健康会議が共同で実施し、地域の健康課題に即した取り組みや、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践している法人を「見える化」する制度。
健康経営を後押しする具体的な音楽チャンネルとして、「健康BGM」の提供も行っています。こちらでは心拍数や自律神経に配慮した音楽を選定しており、ストレスや疲労が分かりやすいメーカーの職場にもマッチしやすいプログラムが揃っています。
ここまでの事例をみて、オフィスBGMを導入することに関心を抱かれた方も多いかもしれません。では、オフィスBGMをどのように導入すればよいのでしょうか。
その1つの方法が、USENの「オフィス専用BGMサービスSound Design for OFFICE」の導入です。このサービスの導入プロセスにはBGMコーディネートもあるので、専門家が各企業の課題や問題点をヒアリングし、より良いBGM活用方法を提案いたします。さらに、全国150店舗以上の拠点からサポートを受けられるため、導入するだけでなく運用面でのトラブルにもスムーズに対応可能です。
メーカー特有の騒音や重労働によるストレスに対して、オフィスBGMは、メンタルヘルス改善や集中力向上、コミュニケーション活性化など、多角的なアプローチで健康経営を支援してくれる手段となり得ます。
また、BGMの種類や時間帯を工夫することで、さらに大きな効果が期待できることが示唆されています。 今後は「健康経営銘柄」や「健康経営優良法人認定」の取得を目指す企業にとっても、音楽を活用した社内環境の改善は当面注目すべきと言えるでしょう。
「オフィスBGMを導入してみたい」「自社の健康経営に関心がある」とお考えでしたら、ぜひ一度ご相談ください。
オフィスにBGMという発想を。オフィスにBGMを流すだけでポジティブな効果がたくさん!
オフィスには「オフィス専用」のBGM、ぜひ試してみませんか?