コラムCOLUMN
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BGMでの快適なオフィス環境作り
オフィスでは、業務を効率よく進めるために集中力をいかに上げるかが重要になってきます。そのために有効だと注目されているのは、オフィスBGMです。ではどのようなジャンルの音楽が仕事の集中力向上に役立つのかについて、お話しましょう。
集中しているときには、脳からβ(ベータ)波という脳波が出ているといいます。脳の神経細胞から出る周期性のある微弱な電流のことで、脳が活動する周波数帯が12Hz以上だとβ波が出ていることを示します。β波が出ているときは、思考が活発になって能動的になりやすいのも特徴です。集中力とも関連づけられていることから、集中したいときにはβ波を出すようにするとよいと考えられています。
集中力が高まっているとき、つまりβ波が出ているときには、仕事の生産性が向上しやすいものです。脳波は音楽を聴くことでも影響を受けるため、β波を促進させるBGMを聴けば集中力が向上し、仕事の生産性につながることが期待できます。
β波が出ると集中力が高まるのはよいものの、脳が活発に動いている状態をいつまでも維持しようとするのは危険です。脳は次第に麻痺してきて、疲れがたまってきます。β波を出し過ぎるのは、逆効果になりかねません。人の集中力が持続するのは90分程度が限度といわれていますから、60~90分程度で休憩を入れてあげることが脳を効率よく働かせることにつながります。
脳を休ませたいときは、業務の手を止めていればよいのでしょうか。β波が継続して脳が活発化しているときには、意識的に脳に休息を与えてあげたほうが回復が早まります。方法としては、α波を出す音楽を聴くのが効果的です。90分作業をして10~15分も休んでいられないという方もいるでしょうから、α波を出す音楽を聴いてリラックスしながら単調な作業をするというのも一案です。
β波を出す音楽を聴いて集中し、α波を出す音楽を聴いてリラックスするように努めると、脳を効率よく働かせることができます。勤務時間中、ずっと集中したままで仕事をするのは無理があります。ほとんどの人には何時間も集中したままでいることが不可能ですし、何時間も集中することで脳がショートを起こしかねません。α波で脳を休ませてはまたβ波で集中するという反復を勤務時間中に何度行えるかによって、仕事の効率が違ってくるでしょう。
脳波は、心拍数とも連動しています。音楽を聴いて集中力が高まれば、心拍数が上がりβ波が増えます。逆に心が安らぐような音楽を聴けば、心拍数が下がりα波が増加するのです。β波やα波が出ているかどうかは自分でもわかりにくく、しかもどのような音がこれらの脳波を出しやすいのかは明らかにされていない部分が多いといいます。しかし、心拍数との連動を考えれば、α波が出ている状態かβ波が出ている状態かを自分で想像することもできるでしょう。α波が出やすい音楽には、一定のリズムを保っているという特徴があります。振り子の音を聴いていると眠たくなってくるように、一定のリズムを刻み続けるBGMを集中の合間に挟むのがおすすめです。
オフィスにBGMという発想を。オフィスにBGMを流すだけでポジティブな効果がたくさん!
オフィスには「オフィス専用」のBGM、ぜひ試してみませんか?
勤務時間中にいかに多くの集中時間を作れるかが、生産性向上のカギを握っています。90分の集中時間を勤務時間中になるべく多く作ることが、効率のよい仕事といえるのです。BGMによってこれを実現するのであれば、性質の異なる音楽を交互に流すのが効果的です。もちろん、β波とα波を交互に出したいところですから、これらに影響する音楽を選ぶことが大切です。つまり、オフィスBGMには、音楽を流すだけでなく選曲やプログラムも重要だということになってきます。
緊張感やリラクゼーションは無意識化で自律神経がコントロールしているため、意識して動かせるものではありません。しかし、音楽のように媒介するものを利用して自律神経に影響を与えることは可能です。自律神経を整えるには、交感神経と副交感神経のバランスをとる必要があります。これらの神経は環境に左右されることから、些細な音にも反応します。人によって琴線に触れる音質は異なりますが、ある種の音を聴くと交感神経が高まったり副交感神経が高まったりするのです。それがアップテンポの曲なのか、スローテンポの曲なのかに決まりはありません。オフィスのBGMでは、社員にリクエストをとりながら選曲やプログラミングをするのもよいでしょう。
クラシック音楽のなかでも、モーツァルトやバッハはα波を出す効果が期待できるといわれています。このようなことが広まり始めたのは、医学的な研究報告がされるようになったためです。音楽を聴くことで、心を癒したり元気を出したりしている人もいるでしょう。イメージとしてそのような感覚を得られるのではなく、実際に人の体に薬のように効いているのが音楽のパワーといえます。
音楽を医療の現場で用いたり研究したりしている人のなかには、免疫学の研究をきっかけにモーツァルトを研究し始めたというケースもあります。モーツァルトが作った曲を聴くと、副交感神経にスイッチが入るというのです。実はこれは最近の研究に限らず、半世紀以上も前から発見していた医師がいるといいます。モーツァルトの曲には、人の社会性を高めたり脈拍を安定させたりする効果があるという説です。アメリカの大学でも、脳神経系にモーツァルトの曲が影響するという研究結果を発表しています。リラックスが目的というよりは、モーツァルトを聴くことで免疫力が向上するのであれば感染症の予防ができるのではないかと睨んだのです。
このように世界中で研究されている音楽の効果は、薬の研究にも似ています。ただし、薬のように副作用はありません。オフィスBGMを仕事の集中力向上に活用するのは、理にかなったことで、なおかつ健康的な対策法です。
モーツァルトがリラックス効果をもたらすという研究について紹介しましたが、集中力が高まるといわれている音楽にはバロック音楽があります。バロック音楽といえば、J.S.バッハやヴィヴァルディの曲が代表的です。これらの曲は、オフィスのBGMとしても上品なイメージをもたらしてくれるというメリットも持っています。アップテンポの曲でも騒々しくならないのは、バロック音楽ならではです。チェンバロやフルートなど、日常的にはなかなか耳にしない音がオフィスのBGMとして聴こえることで、優雅な気持ちで仕事に取り組めるでしょう。
もちろん、バロック音楽を含むクラシック音楽は、集中力向上に役立つオフィスBGMのごく一例です。他にも、波の音や小鳥のさえずりなど、環境音楽をアレンジしてオフィスBGMとして活用してもよいでしょう。個人によって琴線に触れる音楽が異なることからも、様々な種類の音楽をミックスしてBGM編成するのは効果的です。オフィス内で、特定の人がBGM編成をするのは困難かもしれません。そのようなときは、専門家の力を借りる手もあります。
オフィスBGMを専門に扱っているところであれば、集中力向上に役立つ音楽を編成して提供してくれます。どのような音楽が効果的なのか迷ったときには、相談してみるのもひとつの方法です。他社を訪問してオフィス内にBGMがかかっていたら、音楽のジャンルを聴き分けてみるのも参考になるでしょう。音楽の種類は幅広く、人に与える影響も無限なのかもしれません。
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