時間帯に合わせた選曲で、一日の空気を設計する
導入時にこだわったのは、学生のキャリア相談や自習の集中を妨げない選曲です。楽曲はすべてインストゥルメンタルミュージックに限定し、プログラムタイマー機能を活用して、1日の流れに合わせたBGMプログラムを組んでいます。
朝は、静かすぎる室内の緊張感をやわらげるために、川のせせらぎや自然音などの環境音楽を設定。午前中はカフェミュージックに移行し、学生や職員が自然に集中できる雰囲気をつくっています。
学生の利用が増える昼過ぎの13時から15時には、眠気を防ぎ、空間に活気を出すために、アップテンポなダンスミュージック調のインストゥルメンタルを選んでいます。夕方にはJ-POPのインストゥルメンタルを流し、耳馴染みのあるメロディが、学生やキャリアカウンセラーの間で自然な会話を生むこともあります。
18時の閉館10分前には自動で「蛍の光」が流れるよう設定しています。アナウンスではなく音楽で自然な退出を促せるため、閉館業務もスムーズになりました。
5台のスピーカーで実現した、どの場所でも心地よく聞こえる音づくり
キャリアセンター全体で計5台のスピーカーを設置しています。
単に音を流すのではなく、相談や自習の妨げにならないよう、空間全体に心地よく均一にBGMが届くことを意識して配置しました。
学生が個別面談を行ったり、就職資料の閲覧や自習をしたりするメインの資料室スペースには、3台のスピーカーをバランスよく配置しています。エリア全体をやさしく音で包み込むことで、サウンドマスキング効果とリラックス効果が自然に届くようにしています。
残りの2台は、職員の執務エリア手前にある面談ブース周辺に設置しています。ブースでの会話内容が執務エリア側に漏れにくくなるよう、音の境界をつくる役割を持たせています。
また、入口付近にも心地よい音楽が届くようにすることで、学生がキャリアセンターに入るときの緊張感をやわらげています。最も心理的なハードルが生まれやすい入口を音で包むことで、「入りにくい場所」ではなく、自然と足を向けやすい場所にすることを目指しました。
BGMはタイマー機能で自動的にオン・オフされるため、電源の入れ忘れや消し忘れも防げます。日々の運用負担を抑えながら、安定して心地よい空間を保てる点も大きなメリットです。
安心して話せる空間へ。学生支援の質にも広がった効果
本格導入後、キャリアセンターでは期待を上回る環境改善効果を実感しています。学生からは、「心地よいBGMが常に流れていることで、以前のピリッとした雰囲気がなくなった」「キャリアセンターに入りやすくなった」「立ち寄りやすくなった」といった声が届くようになりました。
個別相談の場でも、変化が表れています。キャリアカウンセラーからは、「適度な音楽が空間を満たしてくれているおかげで、周囲を気にせず面談業務に集中しやすくなった」「学生も最初からリラックスしていて、話しやすそうな様子が伝わってくる」といった声が寄せられています。
学生が「自分の話を誰かに聞かれているかもしれない」と心配することなく、安心してキャリアカウンセリングに臨めるようになったことが、最も本質的な変化です。その結果、学生が本当に話したかった悩みや将来への本音を打ち明けやすくなり、キャリアカウンセラーとの信頼関係である「ラポール」の形成も、以前より深まりやすくなったと感じているそうです。
また、待合スペースにも良い変化が生まれています。静かなカフェミュージックが流れることで、学生は周囲の相談の声に気を取られることなく、エントリーシートの作成や企業研究に集中しやすくなりました。学生からも、「順番を待っている時間も、周りの声を気にせずに自分の就職活動の準備に100%集中できるのでありがたい」という声が寄せられています。
キャリアセンターでのBGM導入は、学内でも反響を呼んでいます。評判を聞いた他部署の教職員が、キャリアセンターの様子を参考にしようと見学に来る動きも増えています。
今後の期待
音を起点に、キャンパス全体のウェルビーイングデザインへ
今回、USENのオフィスBGMシステムを導入したことで、空間における「音」のコントロールが、学生の心理や学習環境に大きな改善をもたらすことを実感しています。
一方で、駒澤大学のキャンパスにおいて「学ぶ学生と教職員のWELL-BEING」を高めていくためのアプローチには、まだ多くの発展の余地があると考えています。
例えば、視覚的な情報伝達の効率化と温かい空間演出を両立させる先進的なデジタルサイネージの活用、五感にやさしく働きかけるアロマによるリラックス空間デザインなど、キャンパス環境をより良くデザインできる可能性は多く残されています。
駒沢キャンパスは、閑静な住宅街に囲まれており、大学としても地域連携や社会貢献活動を重視しています。日々、学生だけでなく、全国の企業関係者や近隣に住む地域住民など、多様なステークホルダーがキャンパスを訪れます。
そうした多くの人々を温かく迎えるためにも、大学全体で「もっと歓迎され、誰もが安心して心地よく滞在できる思いやりのある空間」をつくり上げていきたいという想いがあります。
今回のキャリアセンターにおけるオフィスBGMの導入は、その試金石です。今後は単なる音の配信にとどまらず、キャンパス全体の環境課題解決や、空間のウェルビーイングデザインに向けた取り組みへと広がっていくことが期待されています。
この事例について問い合わせる