1. コラム
  2. 効率的な働き方
  3. 第2回 どうやって、ワーク・ライフバランスを実現するか?

効率的な働き方

連載 経営戦略としてのワーク・ライフバランス

第2回どうやって、ワーク・ライフバランスを実現するか?

多くの組織に共通する問題とは?

前回、ワーク・ライフバランスの本質とは「ワークとライフがお互いよい影響を及ぼしあいながらシナジー(相乗効果)を生みだすこと」だと伝えました。では、社員のワーク・ライフバランス実現のために企業は何をすべきなのでしょうか?

施策について触れる前に、そもそも多くの企業に共通している問題はどのようなものか。900社以上のコンサルティングを通じて見えた問題4点を紹介します。(図1)

多くの企業ではまず①②に着手します。中でも対策に制度整備を含む②に力を入れる企業は多く、法定以上の制度を整えていることも少なくありません。しかしながらそのような企業からも「作った制度が使われない」「復帰した社員が辞めてしまう」といった声が聞こえてきます。真の要因は実は③「長時間残業の恒常化」と④「マネジメントの理解」にあるのです。
長時間労働が当たり前となっている職場では時間外に会議が行われる等、短時間勤務社員が働きづらい環境である可能性があります。また、マネジメント層に時間あたりの生産性を評価する意識がなければ、効率よく働いたとしても労働時間が短いため評価の対象になりません。時間の長さで評価してしまうと、時間制約のある社員のモチベーションを下げ退職に追い込んでしまうのです。 多くの組織ではまず①②に着手をしようと考えますが、④→③→②→①の順で組織を変えていくことが一見遠回りに見えて実は効率的なのです。

多くの企業が共通して抱える問題

ワーク・ライフバランス実現のためにすべきことは?

共通する問題と着手すべき順序をおさえた上で、ワーク・ライフバランス実現のための施策を見ていきましょう。
実現には【調査・導入・実行・定着】という4つのフェーズがあります。(図2)
まだ企業内の実態や課題が不明であれば、WEBアンケートによる全社的な調査の実施や部署・役職といった切り口に基づき何人かの従業員にヒアリングを実施するといった【調査】から始めます。結果を受け【導入】では、マネジメント層の意識に問題があると判明すれば講演・研修などの意識啓発の機会を設け、制度が使われていないということであればガイドブック作成を通じて周知していきます。最低限の制度しか整っていないという状況であれば制度整備も同時に進めていきます。ただし、前述の通り基本的には制度整備よりも先に意識変革と働き方の見直しに取り組むとよいでしょう。働き方が見直され仮に定時で帰ることが実現できれば、現行以上の制度は特段必要なくなる可能性があるためです。土台を整えた後に【実行】では働き方の見直しを進め、具体的な変化を起こしていきます。
【定着】では取り組みを通じて見えてきた「成果を挙げるための方法・工夫」を全社横展開し、必要に応じて「人事評価や制度の見直し」を行います。また、取り組みに関わった社員をワーク・ライフバランスの必要性を伝える伝道師として育成していくことも長期的に見て有効です。

ワーク・ライフバランス実現の全体像

1点注意が必要なのは、企業によってフェーズは異なるということです。毎年全社的に調査をしている企業であれば【調査】フェーズは不要で【導入】フェーズから着手すべきです。自社の状況を見極めた上で取り組みをスタートさせてください。

働き方の見直しをどう進めていくか?

いざ働き方の見直しを始めるとなると、意気込んで短期間に全社一斉に進めようとしてしまいがちです。しかし、ここに落とし穴があります。対象範囲が広いため画一的・強制的にトップや人事部から働きかけると社員が「やらされ感」を持ってしまうのです。
私たちが推奨しているのは、最初は小さくとも徐々に横展開していく方法です。具体的には4~6チームのトライアルチームを対象とし、人事部などの取り組みの主管部署がサポートをしていきます。チームは一緒に業務をしている社員――部や課といった単位――、1チームあたり6~10名程度とします。私たちがコンサルティングに入らせていただく場合も、数十名~数百名の規模の企業であっても1万名以上の企業規模であっても最初は同程度の規模から取り組みを始めます。8か月間を1つの単位として進めていき、そこで生まれた社内の事例を武器とし次期以降横展開していきます。4か月目と8か月目に中間・最終報告会という形で各チームの取り組みの成果を共有する機会を設け、互いに学び刺激しあう仕組みを作ることも有効です。決して答えを押し付けることなく、問題の発見から解決策を導く過程をチーム自身の力で進めて体験することが肝要です。チームが効果を実感すれば手厚いサポートが無くてもチームが自発的に取り組みを推進するように変化していきます。

働き方の見直し4つのステップ

働き方の見直しは4つのステップを繰り返しながら進めていきます。(図3) まずステップ1では「朝メール・夜メール」というツールを使い1人1人の業務の現状を把握。ステップ2では仕事の進め方・時間の使い方に問題はないか各人で考えていきます。個人で解決できるものは解決し、チームでの検討が必要であればステップ3<会議での働き方の見直し>に課題を持ち寄ります。会議で解決のための施策を考えて、ステップ4<実施>していくのです。
ステップ3の会議のことを私たちは「カエル会議」と呼んでいます。これは早く帰ろう、仕事のやり方を変えよう、そして人生を変えていこうと、3つの意味を込めています。

■レビュー

ワーク・ライフバランスを実現するためには「マネジメントの理解」を深め、「長時間残業の恒常化」を改めることから始めるとよいそうです。その後「女性社員の採用、育成。管理職への登用」や「具体的な制度整備」を行い、組織を変えていくことが一見遠回りに見えて実は効率的だととも。まず「マネジメントの理解を深める」という点がポイントです。
時間の制約や国籍、価値観の違い、またワーク・ライフバランスに対する感覚なども違いがあります。特にこれまで仕事一筋で生きてきたような男性管理職の意識変革、この変化から始めていくのがワーク・ライフバランスを実現するために大切なんですね。

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株式会社ワーク・ライフバランス ワーク・ライフバランスコンサルタント 村上 健太(むらかみ けんた)

【経歴】
2008年 SBI損害保険株式会社入社 管理本部配属。
2012年 株式会社ワーク・ライフバランスに参画。
仕事を抱え込む傾向にある長時間労働のクライアントに対し、効果的なアドバイスを行うことで定評がある。

https://work-life-b.co.jp/

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