1. コラム
  2. 効率的な働き方
  3. 第3回 どうやって、働き方の問題を発見していくか?

効率的な働き方

連載 経営戦略としてのワーク・ライフバランス

第3回どうやって、働き方の問題を発見していくか?

働き方見直しの推進にあたってまず重要なこととは?

弊社ではこれまで900社以上のコンサルティングを実施していますが、どの企業にも共通して取り組んでいただく施策が2つあります。それが働き方の見直しの肝となる「朝メール・夜メール(以降、朝夜メール)」と「カエル会議」です。
今回は、「働き方の見直し4つのステップ」(ステップ1.現在の働き方を確認する→2.業務の課題を抽出する→3.会議での働き方の見直し→4.見直し施策の実施)の中でも序盤の問題の発見に欠かすことのできない「朝夜メール」を紹介します。

問題の発見を導く朝夜メールとは?

朝メールとは、出社時に1日どんな風に過ごすのか、15分~30分単位で予定と時間をセットで書き出し、上司や同僚全員にメールで共有するものです。一方、夜メールとは、退社時にその日1日が実際どうであったか、実績を書いて振り返るものです。(図1)

よくTO DOリストと混同されますが「予定と時間をセットで見積もる」、「共有する」という点が似て非なるところです。
朝夜メールをつけることによって期待できる効果は大きく2点あります。
①働き方のクセの発見
②コミュニケーションの増加

朝メール・夜メール

「朝夜メール」の効果とは?―①働き方のクセ発見

朝夜メールは、慣れていけば1通あたり5分前後で作れます。しかし、書き初めは人によっては15分程度かかってしまい、普段時間の使い方を意識していないことを痛感します。

朝夜メールをつけていくと、

「急ぐ必要はないのに、つい特定の業務を優先して取り組んでしまう」
「重要な仕事を午後に入れているが、お客様からの問い合わせで中断することが多い」などいった自身の仕事の優先順位付けや時間の使い方のクセを客観的に捉えることができるようになります。問題が分かれば対策を講じることができます。前者であれば、業務を好き嫌いで見ていないか自問し、違う優先順位の付け方を模索する。後者であれば、お問い合わせの少ない午前に重要な仕事を入れ集中して取り組み、午後は突発業務がある前提で余裕を持った予定を組み立てることができます。
朝夜メールなしで働き方の問題・原因を考えようとすると「お客様からの急な要望が…」「他部門からの要請が断れなくて…」と外的な要因にばかり目が向きます。一方、自身や自チームの時間の使い方に問題があると分かれば内的な要因に目が向き、仕事が遅々として進まない原因は実は自分たちにあったのだと気付くのです。

「朝夜メール」の効果とは?―②コミュニケーション増加

予定を見て、コメント欄(図1下部)を通じてコミュニケーションが生まれます。例えば「同じ業務でも自分は2時間かけている仕事を先輩は1時間でやっている」と部下が気付き、先輩にノウハウを聞きに行く。簡単な資料のドラフトを30分程で作ってもらいたいと指示をしたつもりが、部下が3時間かけようとしていることに気が付き、依頼した仕事のイメージを伝え直す等、会話が生まれていきます。

コメント欄には趣味や学びなどライフのことを書くことを推奨しています。あるIT業のクライアント企業様の中にコミュニケーション不全を抱えたチームがありました。何を話してもメンバーは無反応。「うなづきましょうか」という声掛けからスタートする程でした。
しかし、数ヵ月後チームの様子は一変。若手であっても物おじせずに意見を伝え、活発な議論がなされるようになったのです。
チームが変わったきっかけは朝夜メールのコメント欄でした。チームメンバー同士共通の趣味を持っていることが分かり、そこから会話(雑談)が生まれ、仕事上での相談もしやすくなりました。コミュニケーションが増え、結果、チームに明るい雰囲気が生まれました。

記録と振り返りの効果とは?

5分とはいえ朝夜メールをつけることは面倒くさい、という声が聞こえてきそうです。しかしそれは22%もの成果を放棄することに繋がります。ハーバードビジネススクールでは、条件の違いをつけ、10日間2つのチームに仕事をさせ成果を比較するという実験を行いました。1つのチームは9時~18時まで通常通り仕事をし、もう1つのチームでは毎朝15分をかけて目標を立て、夜にはチーム内で成果の確認や反省を行いました。結果、後者の労働時間は、全チームメンバー数×15分間×10 日間分短くなったにも関わらず仕事の成果は22%も高かったのです。記録・振り返りを行う際は「どの業務に更に時間を割きたいか」「そのために削るべき時間は何か」などいくつかの観点を持つとより効果的です。(図2) 記録すること・振り返ることの大切さは、これまでも何度も繰り返し強調されてきました。400万部の大ベストセラー『人を動かす』の中で、デール・カーネギーは「15分ごとに予定を立て、記録しろ」、ドラッカーも著書の中で「時間管理の基本は時間を記録し、管理し、まとめるという三段階だ」と主張しています。

朝メール.comという分析も行うことのできるWEBサービスもありますが、通常のメールでも十分な効果が得られます。チームで互いに返信しながら、まずは1ヵ月続けてみてください。「朝夜メール」を通じた問題の発見が習慣化されその後、継続していくことが期待できます。

朝夜メールを振り返る際の観点

■レビュー

出社してすぐ1日のスケジュールを上司や同僚全員にメールで共有する「朝メール」、退社時にその日1日が実際どうであったか、実績を書いて振り返る「夜メール」、このふたつを実施することで本人、そのチームの働き方のクセが発見できるそうです。弊社でも、まずは業務内容、日程や作業を記録し共有すること。この一見当たり前のようですが、メンバー全員となるとできていないことから始めてみようと思います。

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株式会社ワーク・ライフバランス ワーク・ライフバランスコンサルタント 村上 健太(むらかみ けんた)

【経歴】
2008年 SBI損害保険株式会社入社 管理本部配属。
2012年 株式会社ワーク・ライフバランスに参画。
仕事を抱え込む傾向にある長時間労働のクライアントに対し、効果的なアドバイスを行うことで定評がある。

https://work-life-b.co.jp/

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