佐川急便を中核とするSGホールディングスグループで、ロジスティクス事業を展開。コンサルティングやオーダーメイド物流、通販物流、輸送チャーターを得意とする、3PL企業。
インタビュー
- 九州エリアマネジャー朝長仁志さん
導入事例CASESTUDY
佐川急便を中核とするSGホールディングスグループで、ロジスティクス事業を展開。コンサルティングやオーダーメイド物流、通販物流、輸送チャーターを得意とする、3PL企業。
インタビュー
当社はSGホールディングスのグループ企業として、ロジスティクス事業を展開しています。全国に約100箇所の物流施設を保有しており、商品の保管から出荷までを一貫して担っています。単純作業が多いという業務の特性から、黙々と作業するので、時間の感覚がなくなってしまうなどの課題がありました。このような状況を受け、5年ほど前に、福岡営業所における労働環境改善に着手しました。そこで、残業の抑制や心地よい空間など、どのように実現しようかと考えていた時に、チャイムとしてアナウンスとBGMの両方を実現できる仕組みを知り、オフィス向けBGMを導入しました。
物流業界では、労働安全衛生法に基づく従業員への安全配慮義務として、怪我防止、衛生管理、水分補給の促進など、労働災害防止に関する様々なアナウンスを日々行う必要があります。これまでは決まった時間に管理者がアナウンスを行っていましたが、アナウンスの度に作業の手を止めなくてはならず、業務に支障をきたしてしまうこともありました。
それがBGM導入後は、業務内容に合わせたオリジナルコメントをあらかじめ設定することで、決まった時刻に指定したコメントの自動放送ができるようになり、業務負担が大幅に軽減されました。
アナウンス放送にかけていた時間を他の業務に充てることができ、業務効率の向上にもつながっています。
オフィスBGMは労働災害防止という面においても大いに役立っています。
例えば、物流業界では労働災害防止の観点から業務前の準備体操が必須となっており、企業はこれを徹底する義務があります。しかし、当社は様々な雇用形態を採用しており、出勤時間が従業員によって異なるため、朝のみ準備体操をすればいいというわけにはいきません。そこで、オフィスBGMのラジオ体操チャンネルが自動的に30分ごとに流れるプログラムを組み、チューナーでラジオ体操が始まる5分前にアナウンスが流れるようにしました。これによりいつ出勤しても準備体操ができ、労災防止の強化にもつながっています。
これまでは従業員の出勤のたびにラジカセを準備し、管理者の確認を要していたので、運用面が非常に楽になりました。
また、ラジオ体操を定期的に流すことで、作業を一旦止めて音楽に合わせて体を動かしたり、ストレッチをする従業員が増えました。体を動かして腰痛予防やリフレッシュ機会になるなど、作業効率の向上、怪我やミス防止にも寄与しています。
エンゲージメントの向上は、離職率の低下や生産性の向上など、多面的な効果が期待できるため、会社全体で注力している分野です。特に、コミュニケーションが活発な営業所ほど生産性が高い傾向が見られたことから、当営業所でもコミュニケーションの活性化を通じたエンゲージメント向上を目指していました。
以前まではオフィス内が静まり返っていることが多かったのですが、オフィスBGMの導入により雰囲気が明るくなり、上下関係や勤務形態を問わず従業員同士のコミュニケーションは各段に増えました。音楽をきっかけに会話が弾む場面や、普段は接点の少ない従業員同士の交流が生まれているところを見かけます。
ちなみに、当初はヒーリングミュージックやストレス軽減効果を狙った楽曲を流していましたが、作業現場においては「歌がないと眠くなる」という従業員の声もあり、現在はボーカル曲中心の構成です。また、長時間作業をしている中で同じ曲ばかりが流れていると飽きが来てモチベーションも下がってしまうため、週間ランキングチャンネルを流す、2時間ごとにチャンネルを切り替えるなど、新鮮さを重視した選曲を心がけています。
オフィスBGMのおかげで従業員同士の日常会話が活性化されており、今後はこれらの会話が自然と業務の議論へ発展し、新たなアイデアが生まれる環境になることを期待しています。
自動アナウンス機能についてはさらなる活用の可能性が大いにあると考えています。現在は水分補給の促進や作業時の異物混入防止の注意喚起など業務に直結したコメントや天気に応じた注意喚起(雨天時の床面滑り注意、強風時のカゴ車ロック確認など)のコメントを独自に作成し、定期的にアナウンスしています。今後は労働災害防止に関するコメントを細かく録音し運用に組み込んでいく予定です。
今回の取り組みを通じて、より魅力的な職場づくりを今後も目指していきたいと思います。
巨大な物流倉庫の中に流れるアナウンスやBGMの効果とは?
アナウンスの活用や選曲の工夫で日々働きやすい環境を構築している。