コラム

オフィスBGMが邪魔にならない音量はどれぐらいが理想的?

2018/04/20

オフィスBGMが邪魔にならない音量はどれぐらいが理想的?

オフィスBGMは、会話などのマスキング効果や集中力アップ、ストレス解消などの効果に期待を持てます。だからといって、大音量でBGMを流してはかえって邪魔になりかねません。邪魔にならないオフィスBGMの音量はどのくらいが理想的かについて、お話します。

無音状態より効果的なオフィスBGM

 オフィスBGMは、集中力を高めたいときや気分転換したいときに効果が発揮されます。オフィス内の雰囲気を和やかにする効果もあり、これによりスタッフ同士がコミュニケーションを自然に活性化することもできます。反対に、オフィスBGMが流れていない無音状態ではどうかというと、緊張感で張りつめてストレスが発生しやすくなるものです。集中力が落ちて、生産性が低下する恐れまで出てきます。

 オフィスBGMは、人のバイオリズムに合わせた選曲をすることでメンタルに良い効果をもたらすことも可能です。時間の経過を知らせることもでき、オフィスBGMが流れていることによって効率よく働きやすい環境となるでしょう。休憩時間を知ったり、そろそろ退社時間だと気付かせたりして一日の仕事の仕上げにかかることができて、残業を減らせる効果が出てくることもあります。無音の環境で時計とにらめっこしながら仕事をするより、快適に時間を過ごせるはずです。

会話を守ってくれるマスキング効果

 オフィス内には、様々な音があふれています。パソコンやコピー機の操作音、人が移動する音、人の話し声にも直接の対話や電話など種別の音があるでしょう。各種の音が入り混じって、オフィス内は意外に騒音に包まれています。街中の喧騒に比べれば静かといえる範囲かもしれませんが、集中が必要な作業をしている人にとっては精神をかき乱される音に感じるかもしれません。そんなオフィス内の騒音を軽減し得るのが、BGMです。小音量でオフィスBGMを流すことによって、マスキング効果を出すことができます。気になる騒音が軽減することにより、集中力がアップして作業がはかどり、ストレス緩和にもつながるでしょう。

 マスキング効果は、会話内容を漏らしたくないときにも役立ちます。オフィス内の会話は、通常の音量で話していても周囲の人に漏れ聞こえがちです。しかし、どの程度聞こえているかについては耳にした人にしかわからず、会話している人は無頓着なままか不安になるかのどちらかです。仕事の内容でも、周囲に漏らしたくないときはわざわざ場所を移動せざるを得ないこともあります。オフィスBGMを流していると、大事な仕事の会話であろうが雑談であろうが周囲に漏れ聞こえる心配がなくなります。自然とコミュニケーションや仕事がスムーズにはかどるようになってくるのがメリットです。

集中力をさえぎる会話音

集中力をさえぎる会話音

 会話内容を守ってくれる効果がオフィスBGMにあることをお話しましたが、逆に会話音から作業している人の集中力を守ってくれる効果もオフィスBGMには期待できます。無音状態のオフィスとBGMが流れているオフィスとでは、会話音の聞こえ方にどのくらい違うものでしょうか。具体的に実験した結果、完全に障害物のないオープンオフィスでは、無音状態だと10mの範囲で90%以上会話内容が理解されてしまうとわかりました。15m以上離れていても、80%以上の理解度で会話内容が聞こえてしまいます。オフィスBGMを流した場合は、無音状態より20%程度理解できなくなるとの結果が出ました。明らかに、オフィスBGMを流したほうが会話内容が周囲に理解されにくいことがわかったのです。

 周囲の人の会話内容が耳に入ると、作業している人の集中力は削がれます。BGMが集中力を守ってくれるマスキング効果を発揮してくれれば、集中しやすい環境を作れます。これは、ストレス緩和にもつながるでしょう。作業効率を上げたい場合、オフィスBGMが有効な理由です。

オフィスで求められているBGM

 オフィスで求められているBGMは、どのような種類の音楽なのでしょうか。オフィスで働く人にアンケートをとった結果、返ってきた回答の代表的な意見が3つあります。1つは、会話をマスキングしてくれる音楽です。もう1つは、テンションが上がる音楽。集中して作業したいとき、やる気を出したいときなどにかかっているとその気にしてくれる音楽のことでしょう。ひらめきを促す音楽は、アイディアを出す作業をしているときに役立つと求められているようです。

 いずれも納得の回答ですが、それぞれに系統の異なるオフィスBGMになりそうでもあります。選曲はもちろんのこと、音量にも配慮することで、より効果的に求められているオフィスBGMを活用できることでしょう。

BGMの種類への意見

 実際にオフィスに様々なBGMを流して、その印象をヒアリングした結果が出ています。オフィスBGMには、どちらかというと反対派の意見もあるのが事実です。音が流れていると仕事がしやすいと感じる人がいる一方で、音楽が流れていることによってかえって気が散るかもしれない、浮ついた気持ちになるといった意見もあります。そこで、様々な種類のオフィスBGMを流してみることによって、印象をヒアリングしたのです。

 実験では、メロディーのついた音楽以外に自然の音なども流されました。例えば波の音には、ノイズを聞いている感じ、工事現場にいるような違和感を抱いたという人がいます。小鳥のさえずりは、精神的にリラックスできるという意見がある一方で、夜には徹夜明けしたような気分になるとの否定的な意見も出ています。音によっては、快い時間帯と不快な時間帯があるとも解釈可能です。ジャンルを問わず、知らない曲が流れたほうが作業効率が上がるとの意見も出ています。

選曲と音量の関係

 オフィスBGMとして流れた場合、好ましい種類と好まれない種類があることを紹介しました。モーツァルトの曲には作業効率を上げるという説がありますが、モーツァルトの曲にはクラシック音楽好きな人でなくてもよく知られている曲があります。知っている曲が流れると集中しにくくなるというオフィスワーカーの意見もあることから、選曲に考慮することは重要です。

 また、何となく耳に入る分には心地よいもののメロディーが気になってくると集中できない場合には、音量で調節する方法もあります。イージーリスニングやヒーリングをジャンルとした曲がオフィスBGMとして流れると、他のジャンルの曲に比べると肯定的に受け入れられやすいようです。デメリットになりそうな部分は、音量で調節すればメリットに変化する可能性があります。

邪魔にならないオフィスBGMの音量とは

 障害物のないオープンオフィスでは、オフィスBGMの音量が上がるほどに会話などのマスキング効果が高まるとの実験結果が出ています。ただし、BGMの音量が大きすぎると、今度はBGM自体を騒音と感じる人が増えてくるでしょう。邪魔にならない程度のオフィスBGMの音量としておすすめなのは、40~50デシベルです。これは、静かなオフィスでの音量と同程度。地下鉄の車内が80デシベル程度、鉄道のガード下が100デシベル程度、オートバイの加速音が120デシベル程度という音量を参考にしてみてください。これらの半分くらいの音量が、静かなオフィスの音量に匹敵します。

 一切の音がしない静かなオフィスでは緊張感がみなぎりますが、一般的には複数の人が出す作業音やコピー機の音などがしているものです。やさしい音量でオフィスBGMを流せば、邪魔にならずにむしろ作業効率に良い影響を与えることができるでしょう。音量調節次第で、オフィスBGMの選曲の幅も広がってくるかもしれません。



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