コラム

プライバシーのないオフィスでもオフィスBGMがあるだけで仕事効率UPと仕切り替わりの効果がある

2018/02/27

プライバシーのないオフィスでもオフィスBGMがあるだけで仕事効率UPと仕切り替わりの効果がある

オフィスによって、個人のスペースの区切られ方は様々です。オフィスでもある程度のプライバシーを守られる空間がほしいと思っている人は、少なくありません。そのようなときに便利なのが、オフィスBGMです。仕事効率UPにも仕切り代わりの効果にも役立つオフィスBGMの役割について、解説します。

オフィスBGMで実感できる環境の変化

 オフィスにBGMを導入した企業で、環境に変化があったかどうかを社員に問いかけたアンケート結果があります。結果として、約87%の企業がオフィスBGMの導入によって環境の変化を実感できたという点には注目です。アンケートの回答は、オフィスBGMによってオフィス環境が「どちらかというとよくなったと思う」が61.2%、「とてもよくなったと思う」が25.4%、「変わらない」が13.4%でした。ほとんどの人が、オフィスBGMの導入に何らかの効果を感じていることがわかります。

 オフィス環境が、BGMによって「よくなった」と感じた意見の内訳も様々です。BGMによって業務効率が上がったという回答は、企業にとっても嬉しい意見でしょう。ノー残業デーに残業する人が減ったという意見は、昨今の社会問題になった過剰な労働時間を解決する対策としても参考になります。同様に、ストレスチェック制度の義務化が始まった背景にあるストレス問題も、BGMで癒やされるようになったと感じる人が増えるのであれば導入を検討したくなるポイントではないでしょうか。

 他にも、オフィスBGMによってマスキング効果が出て隣室の話し声が気にならなくなったという回答は、集中力UPにもつながりそうです。オフィスの雰囲気が明るくなった、コミュニケーションが促進されたという意見もあり、コミュニケーションによって生み出される発想が重視されている昨今では無視できない点です。

 では、オフィスBGMにどのような役割を期待しているかという質問を投げかけてみると、その回答にはオフィスBGMによって環境変化を感じた回答に共通するものがあります。さらに会話をマスキングする音楽やテンションが上がる音楽、ひらめきを促す音楽などが、オフィス環境には求められているのです。音楽が、いかにオフィス環境に期待されているかがわかる回答ではないでしょうか。

時間帯によって変わるオフィスBGMで仕事効率UP

 オフィスに複数の人がいるにもかかわらず、静まり返っているとしたら緊張感がみなぎります。そのような環境で作業をするのは、集中力が高まるよりはストレスがたまってしまうでしょう。プライバシーがないと感じられ、ちょっとした会話もしにくくなりそうです。コミュニケーションが活発に行われているオフィスは、リラックスした雰囲気が漂っています。こうした環境はオフィスにいる人の性質だけで決まるのではなく、音楽によって動かされることもあるのです。

 実際にオフィスBGMを導入した企業では、午前中には静かな空間にPCのキーボードを叩く音が響くだけで緊張した雰囲気だったのが、BGMがかかるようになって社員が集中とリラックスのメリハリをつけやすくなったといいます。集中力は長時間は続きませんから、オフィスにいる間中ずっと緊張した雰囲気の中にいると、ストレスがたまってしまうでしょう。メリハリをつけて作業すれば長い勤務時間の中で効率よく生産性を高められるところですが、ストレスでイライラしてかえって生産性が低下することもあるのです。

 始業時間帯には通勤ラッシュで疲れた社員を癒やす音楽をかけたり、集中力が途切れる頃に心身をリフレッシュさせる音楽をかけたりと、緩急つけたBGMを時間帯によって分けることは大切です。

残業時間の削減に効果

残業時間の削減に効果

 過剰な労働時間が社会問題としてクローズアップされるようになり、残業時間の削減に取り組む企業が増えています。とはいっても、これまでもノー残業デーを導入したものの上手く活用しきれていないという企業もあるかもしれません。そのようなケースでも、オフィスBGMの活用によって残業時間の削減に成功している企業があります。

 終業時刻になったら、そろそろ終業の時刻であること、ノー残業デーであることなどを気付かせるBGMを流すのもひとつの方法です。企業によっては、残業する場合に業務内容を上司に申請する方法で過剰な残業を減らす対策をしています。しかしこの方法でも、ひとりで仕事を抱え込みがちな人にはあまり効果がありません。

 ところが、オフィスBGMを流すことによって全社で終業の雰囲気を高めると、まだ仕事が残っている社員に他の社員が声をかける可能性が出てきます。日頃からBGMがかかっているオフィスではコミュニケーションもとりやすいため、社員同士が残業しそうな人に声かけをしやすいのです。これにより、協力して残った業務に取り掛かったり、みんなが帰宅するのだから自分も帰ろうという気になったりして、残業する人を減らすことができます。

マスキング効果で仕事が弾む

 オフィスに設置される会議室は、企業によってそれぞれに構成が異なります。会議では、公にできない事項が話し合われることも多いため、従来は個室が設けられるのが当たり前でした。ところが最近では、オープンなスペースで会議をすることによって発想しやすくしようという試みをする企業も増えています。社外のカフェで会議を行う企業や、社内でもカフェテリアスペースの周辺に会議スペースを設けている企業があるほどです。

 以前から、決まった会議スペースなどないという企業もあります。そのような企業では、執務室の片隅に椅子を置いて参加者が集まったり、パーティションで区切られた一角が会議スペースや来客スペースになったりすることもあるでしょう。いずれにしても、周囲の人に会議の内容を聞かれてしまうのではないかという懸念は、会議の進行に影響を与えます。遠慮をすることなく意見が言える人ばかりではなくなり、有効性のない会議になってしまうかもしれません。BGMが流れていれば、マスキング効果によって周辺に人がいても会議内容を聞かれずに意見を言い合うことができるのがメリットです。

個人がバリアを張らずに生産性を向上

 企業では、社員が協力しあって大きな仕事を成し遂げます。だからこそ、会社員として求められる素養に協調性があるのです。集中力は個人から出るものですが、だからといって個人でバリアを張ってしまうと生産性に影響が出る恐れがあります。集中して作業したいあまりに、イヤホンをして周囲の雑音を聞かないようにしたり、話しかけられないようにしたりする人がいると、企業全体の生産性は乱れかねません。

 社員にとって話しかけられたくないバリアを張る理由には、過剰に業務を任されてしまう懸念があるようです。しかし、誰もがバリアを張って忙しいオーラを出し続けているオフィスでは、緊張が高じてストレスがたまりやすくなります。実際の業務以上に、バリアを張って職場環境を維持しようとすることへのストレスがたまってしまうのです。そのようなオフィスの生産性は、よいはずがありません。社員同士が協力して力を発揮することこそ、全体の生産性を高めます。そのためには、コミュニケーションを気軽にとれることが肝心です。

コミュニケーションが楽になる

 社員同士が楽にコミュニケーションをとりやすくなるオフィスは、オープンな空間である必要があります。喫煙室やロッカー室など、閉鎖的で限られたスペースでのみコミュニケーションがとりやすいというのは問題です。むしろ、執務室がカフェテリアのようなオープンなスペースに感じられたほうが、生産性のあるコミュニケーションが生まれます。

 オープンなスペースではコミュニケーションがとりにくいと感じるのには、周囲の人に聞かれてしまう不安があるからでしょう。何でもオープンにすればよいというものでもありませんが、オフィスでは誰が何をしているかが見えたほうが環境改善につながるといいます。コミュニケーションも同じで、周囲の人に気軽に声をかけられない理由はひとつずつでも解決していくことが大切です。その対策となるのが、BGMなのです。

 キーボードを叩く音しかしない環境のオフィスでは、誰かに話を聞かれるというよりはオフィス内のすべての人に聞かれてしまうのが不安なのではないでしょうか。BGMが流れているオフィスでは、適度なマスキング効果で声を出してもオフィス全体に会話内容が聞こえてしまうようなことはなくなります。報告しなければならないことを然るべきときに報告したり、アイディアを気軽に告げたりすることができるオフィスはスムーズに生産性が向上するでしょう。



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